ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ポール・オースター『幽霊たち』

おはようございます、ゆまコロです。 ポール・オースター、柴田元幸(訳)『幽霊たち』を読みました。 現実味のある夢を見ているような感じがするのだけど、時々、感激するほど優しいのが、オースターの文章の好きなところです。 ブルーがブラックの部屋から…

森村誠一『新版 悪魔の飽食 日本細菌戦部隊の恐怖の実像』

おはようございます、ゆまコロです。 森村誠一『新版 悪魔の飽食 日本細菌戦部隊の恐怖の実像』を読みました。 印象的だったのは、次の2ヶ所です。 「「今にして思えば、あのロシア人のいっていたことは、自由を奪われた人間の心からの叫びだった……しかし当…

ポール・オースター『鍵のかかった部屋』

おはようございます、ゆまコロです。 ポール・オースター、柴田元幸(訳)『鍵のかかった部屋』を読みました。 この本は、内省的な表現の多いオースター作品にしては、かなり物語に動きがある話だと思いました。 主人公は親友の奥さんや、親友の母親と関係を…

岩田正美『現代の貧困ーワーキングプア/ホームレス/生活保護』

おはようございます、ゆまコロです。 岩田正美『現代の貧困ーワーキングプア/ホームレス/生活保護』を読みました。 岩田正美先生は、社会福祉学者さんです。 少し前の本ですが、そうかも、と思うところがいくつかありました。 ◆結婚しないということ 「た…

谷川俊太郎 with friends『生きる―わたしたちの思い』

おはようございます、ゆまコロです。 谷川俊太郎 with friends『生きる―わたしたちの思い』を読みました。 谷川俊太郎さんの有名な詩「生きる」を初めて読んだのは小学生の時でした。 その時は、何となくいいな、という感想は抱いたものの、それほど印象には…

つなぎ美術館に行ってきました。

おはようございます、ゆまコロです。 2019年1月につなぎ美術館に行ってきました。 つなぎ美術館は、熊本県葦北郡津奈木町にある公立の美術館です。 去年、NHKで紹介されているのを見て、面白そうだなと思ったのがきっかけです。 TVでは、アーティストと住民…

レイモン・ラディゲ『肉体の悪魔』

おはようございます、ゆまコロです。 レイモン・ラディゲ、新庄嘉章(訳)『肉体の悪魔』を読みました。 かわいいな、と思った場面は、自分より年下の男性に恋をした女の人のセリフです。 「彼女には妻としての義務があることも、夫が出征していることも、自…

西村淳『身近なもので生き延びろ 知恵と工夫で大災害に勝つ』

おはようございます、ゆまコロです。 西村淳『身近なもので生き延びろ 知恵と工夫で大災害に勝つ』を読みました。 西村淳さんは、海上保安官として南極地域観測隊に参加した料理人さんです。 いいな、と思ったのは、「震災ストレスを吹き飛ばせ」という記述…

北杜夫『幽霊ー或る幼年と青春の物語』

おはようございます、ゆまコロです。 北杜夫『幽霊ー或る幼年と青春の物語』を読みました。 この本は、北杜夫先生の23歳の時の作品で、デビュー作ということです。(すごい!) 美しさと死についての考え方が印象的でした。 「たとえば、生きるために生れ…

ポール・オースター『ムーン・パレス』

おはようございます、ゆまコロです。 ポール・オースター、柴田元幸(訳)『ムーン・パレス』を読みました。 再読です。 冒頭の、主人公がたくさんの本をもらうシーンなど、何度読んでも好きな箇所はいくつかあるのですが、特に記憶にとどめておきたいと思っ…

村上龍『村上龍料理小説集』

おはようございます、ゆまコロです。 村上龍『村上龍料理小説集』を読みました。 印象的だったのは以下の2ヶ所です。 「「あたしの田舎、知ってる?」 「北の方だって言ってたよな」 「母は産婆さんだったの」 「え?」 「赤ちゃんをとりあげる人よ、父は弁…

角野栄子『魔女の宅急便その6 それぞれの旅立ち』

おはようございます、ゆまコロです。 以前に、この本の続刊の感想を書いたのですが、ついでに前の巻もさかのぼってみます。 角野栄子『魔女の宅急便その6 それぞれの旅立ち』です。 この巻では、キキに女の子と男の子の双子の子どもが出来て、彼らが13歳を迎…

バルバラ・ベルクハン『ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術』

おはようございます、ゆまコロです。 バルバラ・ベルクハン、小川捷子(訳) 『ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術』を読みました。 私はあまり口が立つ方ではない上に、今の言葉は言わなきゃよかったな、と後悔することが時々あります。対話につい…

池谷裕二『誰でも天才になれる 脳の仕組みと科学的勉強法』

おはようございます、ゆまコロです。 池谷裕二『誰でも天才になれる 脳の仕組みと科学的勉強法』を読みました。 以前、雑誌で紹介されていて気になっていました。 気になったのは次の2点です。 ◆記憶にも「賞味期限」がある ・一カ月以上の間隔をあけてしま…

向笠千恵子『日本の朝ごはん』

おはようございます、ゆまコロです。 向笠千恵子『日本の朝ごはん』を読みました。 この本では、日本のいろんな場所の朝ごはんの様子が見られます。 朝、お散歩をしている間にオーブンで焼き芋を焼くという、香川綾先生(医学博士。栄養学の普及に尽力した。…

パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』

おはようございます、ゆまコロです。 パトリック・ジュースキント、池内紀(訳)『香水 ある人殺しの物語』を読みました。 何年か前に、この映画のポスターを見て気になっていて、本を手に取りました。 登場人物が、これは、と思った香りに出会った時の描写…

藤本憲幸『誰にでもできる短く深く眠る法 頭と体を100%活性化する最高の眠り方』

おはようございます、ゆまコロです。 毎日寒いですね。人間は冬には夏よりも長く眠るらしいのですが、私は季節に関係なく、日中、眠いことが多いです。なぜか休日前など比較的長い時間眠ってもあまり変わりなく眠たいです。そして、なによりも寝起きがとても…

ポール・オースター『ミスター・ヴァーティゴ』

おはようございます、ゆまコロです。 ポール・オースター、柴田元幸(訳)『ミスター・ヴァーティゴ』を読みました。 オースターはニューヨーク、ブルックリン在住のユダヤ系アメリカ人作家です。 柴田元幸さんが翻訳して下さったのが出るたび読んでいますが…

伊藤真『夢をかなえる勉強法』

おはようございます、ゆまコロです。 伊藤真『夢をかなえる勉強法』を読みました。 筆者は予備校を開講した弁護士さんです。 「本番の1週間前から、当日と同じ時間に起床して問題集を説き、同じ時間に休憩し、ピークを当日に持ってくるようチューニングする…

あさのあつこ『ラスト・イニング』

おはようございます、ゆまコロです。 あさのあつこ『ラスト・イニング』を読みました。 『バッテリー』シリーズのスピンオフ的な作品です。 このシリーズが好きで、完結する前からずっと追いかけていますが、いつも思うのは、あさの先生は登場人物一人ひとり…

レイチェル・サイモン『妹とバスに乗って』

おはようございます、ゆまコロです。 レイチェル・サイモン、幾島幸子(訳)『妹とバスに乗って』を読みました。 姉のレイチェルは39歳。知的障害を持つ妹ベスは38歳。妹は生活保護を受けて暮らしています。路線バスに乗るのが趣味の妹に合わせ、ある時から…

メアリー・ノートン『床下の小人たち』

おはようございます、ゆまコロです。 メアリー・ノートン、林容吉(訳)『床下の小人たち』を読みました。 「借りぐらしのアリエッティ」を観る前に、予習のために手に取りました。 序盤と終盤は少々だるい感じなのですが(すみません…)、アリエッティが手…

マヌエル・リバス『蝶の舌』

おはようございます、ゆまコロです。 マヌエル・リバス、野谷文昭・熊倉靖子(訳)『蝶の舌』を読みました。 この本は、本当はガリシア語(ガリシアとは、スペインの一地方)で書かれているとのことです。 短編集なのですが、ちょっと良い出来事があって、そ…

山田ズーニー『あなたの話はなぜ「通じない」のか』

おはようございます、ゆまコロです。 山田ズーニー『あなたの話はなぜ「通じない」のか』を読みました。 以前にもこの本を読もうと思っていて、途中で挫折していました。 今回読破してみて、その理由は何だったのかが分かりました。 コミュニケーションのノ…

漆原智良『野口英世』

おはようございます、ゆまコロです。 漆原智良『野口英世』を読みました。 福島に用事があったので、ついでに、野口英世記念館に行く計画を立てました。予習のために読んだのがこの本です。 これを読むまで、漠然としかその偉業について知りませんでしたが、…

小池龍之介『「自分」から自由になる沈黙入門』

おはようございます、ゆまコロです。 小池龍之介『「自分」から自由になる沈黙入門』を読みました。 作者は浄土真宗系のお寺の住職さんです。 なぜかお坊さんの書いた本が気になる時があります。 ドキッとした話題はこちら。 「●「批判」の根っこは自慢。 そ…

村上春樹(編訳)『バースデイ・ストーリーズ』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹(編訳)『バースデイ・ストーリーズ』を読みました。 誕生日にまつわる短編集です。 一番好みの話は、誕生日用のケーキを絶対に少女に譲らない、頑迷な老女を書いた、ダニエル・ライオンズの「バースデイ・ケー…

斉藤洋『ルドルフとイッパイアッテナ』

おはようございます、ゆまコロです。 斉藤洋『ルドルフとイッパイアッテナ』を読みました。 東京にやってきたばかりのルドルフと、その帰りを待つ飼い主のリエちゃん。 もう結末は知っているわけなのですが、この頃の二人の事を考えるだけで、なんとなく胸が…

峰なゆか『オシャレな人って思われたい!』

おはようございます、ゆまコロです。 峰なゆか『オシャレな人って思われたい!』を読みました。 『アラサーちゃん』の作者のエッセイ集です。 章の終わりごとに出てくる女の子のイラストがどれも可愛いので、こういうイラストを「アラサーちゃん」の本文とか…

小山宙哉『宇宙兄弟34』

おはようございます、ゆまコロです。 小山宙哉『宇宙兄弟34』を読みました。 ※以降、ネタバレを含みますのでご注意下さい。 この巻ではほとんど、ベティさんとカルロのお話です。 裏表紙の、何をするのかさっぱり予測できなかった機械が、まさかベティさんの…