おはようございます、ゆまコロです。
西村淳『身近なもので生き延びろ 知恵と工夫で大災害に勝つ』を読みました。
西村淳さんは、海上保安官として南極地域観測隊に参加した料理人さんです。
いいな、と思ったのは、「震災ストレスを吹き飛ばせ」という記述でした。
◆苦しいときこそ笑顔を一発
「避難所でボランティアをしていた人に聞いた話だが、一番問題が発生するのがこの隣同士のいさかいだそうで、事情を聞くことは聞くが大抵は「喧嘩両成敗」ということで別々の場所に離されるそうである。
隣が駄目だったら、お向かい・別の隣・食事やトイレの列で知り合った人など、貴方もこんな場所でつらいだろうが、とにかく「視線が合えばニッコリ作戦」を繰り返すと、必ず呼応して笑顔を返してくれる人がいる。
笑顔の次はいよいよ声がけを実行することとなる。いきなりペラペラ自分の事だけ話すことは禁物で、これはまた別の意味でせっかくできたかもしれない仲良しを遠ざける結果となる。
「大丈夫ですか?」
「大変でしたね」
「どちらの町会から?」
「いつ終わるんでしょうね?」
この辺りが無難な所である。
運良く見知った人に出会ったが、どうしても名前が浮かんでこないときの戦法は、まさか名刺交換をするわけにもいかないので、「お名前は何でしたっけ?」とまずは聞く。
相手はもしかしたら(えっ?この人何回もは会っていないけれど、名前も知らなかったのかよー?)などと思い、ちょっとムッとした声でこう答えるだろう(相手が中村さんだったとして)。
「…(ムッとしています)…中村です…」
そして貴方は切り返す。
「いやいや、中村さんは知っています(そんな名字だったか)。下の名前ですよ。下の」
「ああ下の名前ね(なんだ、やっぱり知ってたじゃん)、亀二郎です」
これで友情復活となることは間違いない。
家族に話せないことも、同性の他人だったら話すことができるということは世の奥様族は多々御存知だろうが、こうして出来た会話の輪はやがてどんどん広がり、いろいろな情報のすみやかな取得と共に不便な避難所暮らしのかっこうの息抜きとなってくれるだろう。」
相手の名前が思い出せない時の戦法(笑)が面白いなと思いました。
他にも「手旗信号でタスケテをやってみよう」とか、「足湯でさっぱり大作戦」とか、「ブルーシートでとりあえずテントをはろう」とか、本書はかなり実践的なサバイバル術が満載です。
ユーモアのある語り口が、かえってたくましさを感じさせて、好感が持てました。イラストも可愛いです。
しっかり備えをしようと思いました。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
身近なもので生き延びろ―知恵と工夫で大災害に勝つ (新潮文庫)
- 作者: 西村淳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/08/28
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (8件) を見る