ニジタツ読書

OLのゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

あさのあつこ『ラスト・イニング』

おはようございます、ゆまコロです。

 

あさのあつこ『ラスト・イニング』を読みました。

 

『バッテリー』シリーズのスピンオフ的な作品です。

このシリーズが好きで、完結する前からずっと追いかけていますが、いつも思うのは、あさの先生は登場人物一人ひとりの異なった感情をすくい上げることが上手だなあということです。

 

『バッテリー』では主人公たちと考え方が相反していて、よくぶつかっていた人物も、この本を読むと、その子の気持ちも、まったく寄り添えないものでもないなぁ、と思えるのがすごいです。

 

主人公たちのライバル校の天才スラッガー・門脇くんを分析する瑞垣くんの描写が好きです。

 

「門脇を見上げる。

 

秀吾、謝るな。すまんなんて、おれに詫びるな。そこが、おまえと原田との差なんや。あいつのように、貪欲に嫌らしく利己的に傲慢に自分のことだけを考えつくせ。もっと、野球に囚われろ。他人のことなんて、どうでもええやないか。誰かを傷つけたとか、誰かに重荷を背負わせてしまったとか、心配る優しさなんて捨ててしまえ。あと一度、あと一度、打席は回ってくるんやぞ。」

 

あさの先生に一度サイン会でお会いしたことがあるのですが、とても穏やかな優しそうな女性で、私が握手してくださいと言った時の、笑顔がまぶしかったです。

 

岡山弁がこんなに可愛らしい響きだということも、あさの先生の本を読むまで知りませんでした。

 

これからもずっとファンです。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

ラスト・イニング (角川文庫)

ラスト・イニング (角川文庫)