ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

角野栄子『トンネルの森 1945』

おはようございます、ゆまコロです。 角野栄子『トンネルの森 1945』を読みました。 角野先生の体験が元になったお話と知り、気になっていた本です。 主人公の少女・イコちゃんがお母さんをなくし、住んでいた東京深川から疎開するところから物語は始まるの…

立花隆+東京大学教養学部立花隆ゼミ『二十歳のころⅠ 1937~1958』

おはようございます、ゆまコロです。 立花隆+東京大学教養学部立花隆ゼミ『二十歳のころⅠ 1937~1958』を読みました。 どの調査の話も興味深く、身を乗り出して聞きたくなる言葉が多いのですが、とくに覚えておきたいと強く感じたのは、長崎の原爆被害者の下…

村上春樹『スプートニクの恋人』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹『スプートニクの恋人』を読みました。 長くない本なのですが、随所に覚えておきたいと思った会話があります。 「もしそれが性欲じゃないと言うのなら、わたしの血管を流れているのはトマト・ジュースよ」 「う…

ジャン・デ・カール『狂王ルートヴィヒ 夢の王国の黄昏』

おはようございます、ゆまコロです。 ジャン・デ・カール、三保元(訳)『狂王ルートヴィヒ 夢の王国の黄昏』を読みました。 ノイシュヴァンシュタイン城に興味を持ち、手に取ってみました。 ルートヴィヒ2世の40年の生涯には、どうしてこうなるのだろう、と…

スー・モンク・キッド『リリィ、はちみつ色の夏』

おはようございます、ゆまコロです。 スー・モンク・キッド、小川高義(訳)『リリィ、はちみつ色の夏』を読みました。 1964年にジョンソン大統領が公民権法に署名し、法律上明確に差別が禁じられた頃のお話です。 「先の見込みなんかないってことさ」 「な…

山口真由『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。(図解版)』

おはようございます、ゆまコロです。 山口真由『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。(図解版)』を読みました。 新しいものを学習するときはできるだけ早く 「知っていること 8割 知らないこと 2割」 の、状態に持っていくこと…

ミニマルライフ研究所『「何もない部屋」で暮らしたい』

おはようございます、ゆまコロです。 ミニマルライフ研究所『「何もない部屋」で暮らしたい』を読みました。 10人のミニマリストさんのお部屋の写真と、どうしてミニマリストになったのか、といういきさつ、ライフスタイルのこだわりが紹介されています。 …

アーシュラ・K・ル=グウィン『さいはての島へ ゲド戦記Ⅲ』

おはようございます、ゆまコロです。 アーシュラ・K・ル=グウィン、清水真砂子(訳)『さいはての島へ ゲド戦記Ⅲ』を読みました。 2巻よりもずっと、もったりした雰囲気の3巻です。 この巻で、気になったセリフはこちらです。 仕上がってくるものがおかし…

舞城王太郎『熊の場所』

おはようございます、ゆまコロです。 舞城王太郎『熊の場所』を読みました。 短編集です。収録されている3篇の書体が全て異なっているのがなんだか可愛いと思いました。 まずは「熊の場所」より。 恐怖とは一体なんだろう。恐怖とは、一体何に対して生じる感…

杉田俊介『安彦良和の戦争と平和 ガンダム、マンガ、日本』

おはようございます、ゆまコロです。 杉田俊介『安彦良和の戦争と平和 ガンダム、マンガ、日本』を読みました。 本書は、アニメ監督・漫画家の安彦良和さんのこれまでの作品について、批評家の杉田俊介さんが対談と解説を交えながら、戦争と日本人について考…

アーシュラ・K・ル=グウィン『こわれた腕環 ゲド戦記Ⅱ』

おはようございます、ゆまコロです。 アーシュラ・K・ル=グウィン、清水真砂子(訳)『こわれた腕環 ゲド戦記Ⅱ』を読みました。 ゲドが影と戦った1巻とは、ずいぶん雰囲気の違う続巻です。 好きなのは、テナーが海を見る場面です。 砂漠も山も、こんなふう…

ウワディスワフ・シュピルマン『戦場のピアニスト』

おはようございます、ゆまコロです。 ウワディスワフ・シュピルマン、佐藤泰一(訳)『戦場のピアニスト』を読みました。 ポーランド出身のピアニストである著者の、1939年8月から、1945年1月までの行動を記録するような形式で、本書の大部分が構成されていま…

小山宙哉『宇宙兄弟 35巻』

おはようございます、ゆまコロです。 小山宙哉『宇宙兄弟 35巻』を読みました。 いよいよ月面天文台が完成し、感慨深い35巻です。 今回、心に残ったシーンはこちらです。 種子島にソユーズが届くシーン。 「Airbus Beluga」(航空機のコンポーネントを空輸す…

「みんなのミュシャ」展に行ってきました。

おはようございます、ゆまコロです。 東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「みんなのミュシャ」展に行ってきました。 8月の平日、開館時間の30分ほど前に到着し、一番前で待っていました。開館時間の10時少し前には行列は20人ほど。 入口付近は…

アーシュラ・K・ル=グウィン『影との戦い ゲド戦記Ⅰ』

おはようございます、ゆまコロです。 アーシュラ・K・ル=グウィン、清水真砂子(訳)『影との戦い ゲド戦記Ⅰ』を読みました。 初めてこの本を読んだのは、大学生の時です。(生涯学習の講義の課題図書でした。)友達と、ハリー・ポッターと似ていると話し…

熊井明子『シェイクスピアに出会う旅』

おはようございます、ゆまコロです。 熊井明子『シェイクスピアに出会う旅』を読みました。 シェイクスピア研究者である熊井先生が、イギリスで体験したことや、執筆や研究の過程で出会った人のことを綴ったエッセイです。 鷹狩りを見たときの話と、『ウィン…

かどのえいこ『ルイジンニョ少年 ブラジルを訪ねて』

おはようございます、ゆまコロです。 かどのえいこ『ルイジンニョ少年 ブラジルを訪ねて』を読みました。 かどのえいこ先生がブラジルで暮らしていたことがあることは知っていたけど、なぜブラジルに行ったのだろうか?と思っていましたが、この本の「復刻版…

ボリス・ヴィアン『日々の泡』

おはようございます、ゆまコロです。 ボリス・ヴィアン、曾根元吉(訳)『日々の泡』を読みました。 パリに暮らす若者たちのお話です。 小説なのですが、主人公がハツカネズミと意思疎通ができたりと、幻想的な出来事が次々と起こります。 登場人物はこんな…

メスキータ展に行ってきました。

おはようございます、ゆまコロです。 東京ステーションギャラリーにて開催中のメスキータ展に行ってきました。 サミュ工ル・イェスルン・デ・メスキータ(1868-1944)は、アムステルダム生まれのユダヤ系オランダ人です。建築を学び、その後美術の世界に転じ…

エドワード・ブルワー=リットン『ポンペイ最後の日』

おはようございます、ゆまコロです。 エドワード・ブルワー=リットン、篠原雅之・藤原一生(訳)『ポンペイ最後の日』を読みました。 1834年にイギリスで発表されたこのお話の舞台は、西暦79年のローマ帝国ポンペイです。ポンペイはベズビオ火山爆発で、地…

ジョージ・エリオット『サイラス=マーナー』

おはようございます、ゆまコロです。 ジョージ・エリオット、工藤好美・淀川郁子(訳)『サイラス=マーナー』を読みました。 因果応報という道徳性と、子どもを育てることで育まれる愛情がテーマになっています。 作中ではいろいろなことが起こり、また書かれ…

シャーロット・ブロンテ『ジェイン=エア』

おはようございます、ゆまコロです。 シャーロット・ブロンテ、上田健次郎(訳)『ジェイン=エア』を読みました。 イギリスの小説家・ブロンテ姉妹の長姉の作品です。 (彼女は三女ですが、長女・次女は11歳と10歳で亡くなっています。) 孤児だったジェインが…

チャールズ・キングズリー『水の子トム』

おはようございます、ゆまコロです。 チャールズ・キングズリー、酒井朝彦(訳)『水の子トム』を読みました。 イギリスの牧師さんが書いた童話です。 母はこの話を子供の頃読んで、とても面白かったので印象に残っていると言っていたのですが、現代においてこ…

ロバート・バランタイン『名犬クルーソー』

おはようございます、ゆまコロです。 ロバート・バランタイン、白木茂(訳)、藤原一生(文)『名犬クルーソー』を読みました。 文学全集のイギリス編の中に収録されていたお話です。書かれたのは1860~1861年ころとのこと。 なのですが、読んでいると物語では馬…

瀬尾まいこ『幸福な食卓』

おはようございます、ゆまコロです。 瀬尾まいこ『幸福な食卓』を読みました。 著者のファンである友人に貸してもらいました。 好きな場面は、主人公・佐和子さんとその彼氏が一緒に帰るシーンでのこの会話です。 「この自転車を押して帰る俺と、迎えに来て…

舞城王太郎『阿修羅ガール』

おはようございます、ゆまコロです。 舞城王太郎『阿修羅ガール』を読みました。 二部の森の話が恐くて、電車の中で声が出そうになりました。 「あのねアイコ、好きな人の名前を訊かれてクエスチョンマーク付きで答えてるうちは全部間違いなのよ。愛ってのは…

マーク・ストランド『犬の人生』

おはようございます、ゆまコロです。 マーク・ストランド、村上春樹(訳)『犬の人生』を読みました。 ピューリッツァー賞詩部門を受賞された作者の短編集です。 好きな話はいくつかあるのですが、特に好きなのは、たくさんの美しい出会いの話「真実の愛」で…

角野栄子『ファンタジーが生まれるとき 「魔女の宅急便」とわたし』

おはようございます、ゆまコロです。 角野栄子『ファンタジーが生まれるとき 「魔女の宅急便」とわたし』を読みました。 角野栄子さんはとても好きな作家さんです。 この本からは、彼女の創作に対する姿勢や、日本語を大切にしている様子が伝わってきます。 …

整理整頓できない女、荷造りを真剣に考える。

おはようございます、ゆまコロです。 旅行が好きなのですが、旅行の荷物整理が苦手です。出発前も着いてからの夜も、カバンのあっちを開けたりこっちを開けたり、年中荷物を探しています。当然いつも大荷物です。おまけに忘れ物も多いです。(家から持ってく…

皆川ゆか『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』

おはようございます、ゆまコロです。 皆川ゆか、矢立肇・富野由悠季(原作)『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』を読みました。 自分の住んでいる国で、戦争や紛争が起こったらどうしよう、ということを、小さな頃から考えたり、不安になったりするこ…