ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

データで克服する財政難。『マネー・ボール』を読んで

こんばんは、ゆまコロです。 毎日寒いですね。 WBCが楽しみなので、なにかテンションを上げる野球の本が読みたいと思い、マイケル・ルイスさん、中山宥さん(訳)『マネー・ボール(完全版)』を読みました。 以前映画を観たことがあり、かなり好きな話なの…

自らを癒す力と、他者を許す心。『アウシュヴィッツでおきたこと』を読んで

こんばんは、ゆまコロです。 マックス・マンハイマーさん、大友 展也さん(訳) の『アウシュヴィッツでおきたこと』を読みました。 「ぼくなんか、毎日、五回もぶたれるんだよ。兄さんも今にきっとぶたれることになるよ」 私に与えられた仕事は、革靴に釘を…

変化を許容するために。『いちばん親切な更年期の教科書』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 『ふりまわされない!更年期』が面白かったので、もう一冊更年期障害に関する本を読んでみました。 高尾美穂さんの『いちばん親切な更年期の教科書』です。 睡眠力を高めて肥満を撃退!やせやすい体質になる 眠らない女は…

なぜ非常時に誤った判断をしてしまうのか。『生き残る判断 生き残れない行動』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 アマンダ・リプリーさん、岡真知子さん(訳)の『生き残る判断 生き残れない行動〜大災害・テロ・事故、極限状況下で心と体に何が起こるのか』を読みました。 本書は防災マニュアルや有事におけるノウハウ本というよりは…

文学から見るジェンダー平等の世界。『特別な友情』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 『特別な友情』を読みました。 萩尾望都先生が『トーマの心臓』を書くきっかけとなった映画『悲しみの天使』の原作が載っていると知り、手に取りました。 掲載されている12編の中で、私が気に入ったのはカサノヴァの『…

受け入れる準備をするために。『ふりまわされない!更年期』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 永田京子さんの『ふりまわされない!更年期〜母と娘のための「女性ホルモン」対策BOOK』を読みました。 先日読んだ山本文緒さんの『自転しながら公転する』の主人公のお母さんが、重い更年期障害に悩まされていて、自分…

寛容の道に至るまでの苦しみ。『テロリストの息子』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ザック・エブラヒムさん、ジェフ・ジャイルズさん、佐久間裕美子さん(訳)『テロリストの息子』を読みました。 父は火傷を手当てする方法を教わり、痛み止めの薬と、さらには効力の予測できない、強い抗鬱剤の処方箋を…

外力を受け入れる柔軟さ。『負ける建築』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。隈研吾さんの『負ける建築』を読みました。 切断から接合へ 建築というもの自体が社会の敵なのかもしれない。公共事業、土建業界といえば悪の代名詞の扱いである。どうして、建築はこのように嫌われるのか。いつからこん…

みんな、遺伝子の単なる乗り物。『女と男 なぜわかりあえないのか』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 橘玲さんの『女と男 なぜわかりあえないのか』を読みました。 「男性中心主義」社会ではこのことは当たり前すぎて指摘されないが、男女のあいだに誤解を生む大きな要因になっている。男の子は無意識のうちに、女の子も自…

身近なのに知らないことがいっぱい。『生理で知っておくべきこと』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ずいぶん前ですが、ひどい生理痛を緩和したくて、婦人科へ通って低用量ピルを処方してもらったことがありました。しかし、激混みの婦人科に毎週のように通っていろいろ検査してやっと処方してもらったピルなのに、肝心の…

受け身の人生から脱出せよ。『ライフ・シフト』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 リンダ・グラットンさん、アンドリュー・スコットさん、池村千秋さん(訳)『ライフ・シフト〜100年時代の人生戦略』を読みました。 変えるべきなのは、なによりも時間の組み立てだ。なにしろ、長寿化が進めば人生の時間…

騎兵研究と柔軟な思考に瞠目。『坂の上の雲 七』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 司馬遼太郎さんの『坂の上の雲 七』を読みました。 秋山好古さんの日露戦争での活躍が眩しすぎる七巻です。 夜になった。 敵のほとんどが退却し、もしくは潰走したが、しかし一部だけはなお大房身北方にとどまり、好古の…

諜報活動のモデルケースと呻吟。『坂の上の雲 六』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 司馬遼太郎さんの『坂の上の雲 六』を読みました。 六巻は秋山兄弟よりも、明石元二郎さんのロシアの内部撹乱工作がとにかく際立つ巻です。 福岡藩の出身で、かれの士官学校同窓の牧野清人が語りのこしているところでは…

頭皮を大事にしたくなる。『いい白髪ケア、やばい白髪ケア』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 数年前、それまで長く使っていたシャンプーなのに突然頭皮が痒くなり、それ以来、いろんなシャンプーも試すものの、手に取るシャンプーがなぜかかゆみを伴うものばかりになってしまいました。 なにか頭皮に良くないこと…

思い込みに気づかせる本。『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ジュリー・ソンドラ・デッカー さん、上田 勢子さん(訳) の『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて〜誰にも性的魅力を感じない私たちについて』を読みました。 『来世ではちゃんとします』に、アセクシュアルの女の…

美しい思い出を見つめる幸せ。『迷える夫人』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ウィラ・キャザーさん、桝田隆宏さん(訳)の『迷える夫人』を読みました。 ドアのような緑の鎧戸は下ろされたままであった。 窓の敷居の上に花束を置こうと身をかがめた瞬間、室内から低い女の笑い声が聞こえてきた――じ…

暴力の時代で、自らの人生を振り返ること。『鉄の時代』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 J・M・クッツェーさん、くぼたのぞみさん(訳)『鉄の時代』を読みました。 著者は南アフリカのノーベル賞作家さんです。 本書はアパルトヘイト政策が崩れる頃の1990年に発刊されました。 アパルトヘイトとは、白人とそ…

投資から見る人間の心理。『せめて25歳で知りたかった投資の授業』を読んで 

おはようございます、ゆまコロです。 三木紀房さんxファイナンシャルアカデミーさんの『せめて25歳で知りたかった投資の授業』を読みました。 「まだ上がる…!」と思い始めたら危ない 「感情なんて捨ててしまえ! ロボットになるんだ」 こんなことを言われた…

アップグレードは豊かさをもたらすのか。『ホモ・デウス(下)』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ユヴァル・ノア・ハラリさん、柴田 裕之さん(訳)『ホモ・デウス(下)』を読みました。 神や国家といった想像上の存在を人々に信じさせたかったら、彼らに何か価値あるものを犠牲にさせるべきだ。その犠牲に伴う苦痛が…

歴史学者が見る、人類の行く先。『ホモ・デウス(上)』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ユヴァル・ノア・ハラリさん、柴田 裕之さん(訳)の『ホモ・デウス(上)』を読みました。 テレビでハラリさんがお話するのを何度か見かけて、そのたびに気になっていた本です。 タイトルのホモ・デウスが何のことかは…

無関心は攻撃者の利益。『夜』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 エリ・ヴィーゼルさん、村上 光彦さん(訳)『夜』を読みました。 1940年にナチス・ドイツの占領下となったルーマニアのシゲット出身のヴィーゼルさんは、16歳のときに家族とともに強制収容所へ送られています。 (…)よ…

足るを知る喜びと満足を目指して。『心の中がグチャグチャで捨てられないあなたへ』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ブルックス・パーマーさん、弓場隆さん(訳)『心の中がグチャグチャで捨てられないあなたへ』を読みました。 著者は、ロサンゼルスとシカゴを拠点に家庭や職場の片づけを手伝っているという片づけコンサルタントです。 …