ニジタツ読書

OLのゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

漆原智良『野口英世』

おはようございます、ゆまコロです。

 

漆原智良野口英世』を読みました。

 

福島に用事があったので、ついでに、野口英世記念館に行く計画を立てました。予習のために読んだのがこの本です。

 

これを読むまで、漠然としかその偉業について知りませんでしたが、医師になる前もなってからも、ほとんど不眠不休状態で勉強や研究に没頭する姿には、本当に頭が下がります。

 

こんなに優秀なのに、この世に天才はいないと思っている※1ところも凄い。

 

※1

「一つのことに集中して立ち向かう。途中でくじけそうになっても倒れない。一にも、二にも努力を積み重ねていくこと」が天才だ、という言葉があります。

 

学習に対する姿勢を表しているともいえる彼の言葉がこちら。

 

「「おまえたちの父ちゃんや、母ちゃんは、おまえたちが家にいれば、畑仕事も手伝ってもらえる。子守りもしてもらえると思っているんだ。それなのに、おまえたちを学校に通わせている。それがなんだ…人をからかったりして…何がおもしろい。人を笑って自分がとくをするのか、もっともっと真剣になって勉強をしようとする気が起きないのか…」」

 

清作(22歳の時に英世に改名)が言うと、説得力があります。この後、級友がお金を出し合って、彼の不自由な左手の手術を受けさせてくれるところがいいです。

 

それにしても、彼は何度お酒で散財して借金をしているのか…。極度の貧困状態は、なぜ倹約や貯蓄といった発想へ向かわせないのか、不思議なくらいです。

 

ガラガラ蛇に対する血清を発見し、ペンシルバニア大学の病理学助手となった際、恩師の血脇先生に宛てた彼の手紙には、そんな自らの身の振り方についての記述があります。

 

「…私は、幼年時代から今日まで、無我夢中で生きつづけていました。貧しい農家に生まれ、そのうえ左の働きまで奪われてしまった私は、ただ、己れさえ成功すればよい、出世すればよいと、それだけを考えてきました。学問はそのためにあるのだとも思っていました。私の考えは、実に甘いものでした。米国で二年の歳月が流れましたが、ここで学んだことは、人間らしく生きなければならないということでした。私は今まで、他人(ひと)にたよりすぎ、借金ばかりしていました。また、学問の場においても、あまりにも表面的な、知識や技能ばかりを追いつづけてきたように思えてなりません。こうした己れの、人間として失格した面を大いに反省し、新しい生活を築きあげていきたいと考えております。」

 

記念館には彼の生家があり、この家で冬を越し、この囲炉裏で怪我をして、そこからアメリカに行ったのかと思うと、なんだかイマジネーションではとても追いつかないくらいの大きな物語のようでした。

 

この先、ニューヨークに行くことがあれば、彼の眠るウッドローン墓地を訪ねてみたいと思います。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

野口英世 (やさしく読める ビジュアル伝記)

野口英世 (やさしく読める ビジュアル伝記)