ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

ノンフィクション

走らない理由なんかない。『運動脳』を読んで

こんにちは、ゆまコロです。 テニスを始めて今年で10年になります。 以前は運動に関する本など見向きもしませんでしたが、テニスがうまくなりたい、元気な体を手に入れたい一心で、スポーツに関する話題に興味が湧いてきました。 そんな中で気になっていたア…

懸命な巣作りにぐっと来る。『身近な鳥のすごい巣』を読んで 

こんにちは、ゆまコロです。 『身近な鳥のすごい巣』を読みました。 著者は鳥の巣研究科でもあり絵本作家でもある鈴木まもるさんです。 日本で見られる36種の鳥とその巣がスケッチされています。でも全然見たことない鳥も載っていて、興味深かったです。 …

自らを癒す力と、他者を許す心。『アウシュヴィッツでおきたこと』を読んで

こんばんは、ゆまコロです。 マックス・マンハイマーさん、大友 展也さん(訳) の『アウシュヴィッツでおきたこと』を読みました。 「ぼくなんか、毎日、五回もぶたれるんだよ。兄さんも今にきっとぶたれることになるよ」 私に与えられた仕事は、革靴に釘を…

なぜ非常時に誤った判断をしてしまうのか。『生き残る判断 生き残れない行動』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 アマンダ・リプリーさん、岡真知子さん(訳)の『生き残る判断 生き残れない行動〜大災害・テロ・事故、極限状況下で心と体に何が起こるのか』を読みました。 本書は防災マニュアルや有事におけるノウハウ本というよりは…

寛容の道に至るまでの苦しみ。『テロリストの息子』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ザック・エブラヒムさん、ジェフ・ジャイルズさん、佐久間裕美子さん(訳)『テロリストの息子』を読みました。 父は火傷を手当てする方法を教わり、痛み止めの薬と、さらには効力の予測できない、強い抗鬱剤の処方箋を…

外力を受け入れる柔軟さ。『負ける建築』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。隈研吾さんの『負ける建築』を読みました。 切断から接合へ 建築というもの自体が社会の敵なのかもしれない。公共事業、土建業界といえば悪の代名詞の扱いである。どうして、建築はこのように嫌われるのか。いつからこん…

受け身の人生から脱出せよ。『ライフ・シフト』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 リンダ・グラットンさん、アンドリュー・スコットさん、池村千秋さん(訳)『ライフ・シフト〜100年時代の人生戦略』を読みました。 変えるべきなのは、なによりも時間の組み立てだ。なにしろ、長寿化が進めば人生の時間…

思い込みに気づかせる本。『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ジュリー・ソンドラ・デッカー さん、上田 勢子さん(訳) の『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて〜誰にも性的魅力を感じない私たちについて』を読みました。 『来世ではちゃんとします』に、アセクシュアルの女の…

アップグレードは豊かさをもたらすのか。『ホモ・デウス(下)』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ユヴァル・ノア・ハラリさん、柴田 裕之さん(訳)『ホモ・デウス(下)』を読みました。 神や国家といった想像上の存在を人々に信じさせたかったら、彼らに何か価値あるものを犠牲にさせるべきだ。その犠牲に伴う苦痛が…

歴史学者が見る、人類の行く先。『ホモ・デウス(上)』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ユヴァル・ノア・ハラリさん、柴田 裕之さん(訳)の『ホモ・デウス(上)』を読みました。 テレビでハラリさんがお話するのを何度か見かけて、そのたびに気になっていた本です。 タイトルのホモ・デウスが何のことかは…

無関心は攻撃者の利益。『夜』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 エリ・ヴィーゼルさん、村上 光彦さん(訳)『夜』を読みました。 1940年にナチス・ドイツの占領下となったルーマニアのシゲット出身のヴィーゼルさんは、16歳のときに家族とともに強制収容所へ送られています。 (…)よ…

国際社会の直視と連携が不可欠では。『ウイグル大虐殺からの生還〜再教育収容所地獄の2年間』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 グルバハール・ハイティワジさん&ロゼン・モルガさん、岩澤雅利さん(訳)『ウイグル大虐殺からの生還〜再教育収容所地獄の2年間』を読みました。 タイトルに「ウイグル大虐殺」とあるように、新疆ウイグル自治区で起…

なぜそれは行われたのか。『ホロコースト〜ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 私は学生の頃からずっとアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所へ行ってみたいと思っているのですが、なかなか訪れる機会がなく、その日のためにホロコーストに関する本を時々探しています。 芝健介さんの『ホロコース…

記憶と現実の歩み寄りの旅。『ホロコースト最年少生存者たち』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 レベッカ・クリフォードさん、山田美明さん訳、芝健介さん監修『ホロコースト最年少生存者たち〜100人の物語からたどるその後の生活』を読みました。 シビルを引き取り、収容所から連れ出してくれたこの女性は、レジ…

差別してない、は見えてないだけかも。『あいつゲイだって―アウティングはなぜ問題なのか?』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 松岡宗嗣さんの『あいつゲイだって―アウティングはなぜ問題なのか?』を読みました。 社内報で、アウティングの危険性についての記事を読み、そこで、一橋大学アウティング事件について知りました。 一橋大学アウティン…

違う立場から見る戦争。『ボマーマフィアと東京大空襲―精密爆撃の理想はなぜ潰えたか』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 マルコム・グラッドウェルさん、櫻井祐子さん訳『ボマーマフィアと東京大空襲―精密爆撃の理想はなぜ潰えたか』を読みました。 「ボマー(爆撃機)マフィア」とは、米陸軍航空隊戦術学校のリーダーたちのことを指していま…

すぐに動きたくなる。『世界大異変―現実を直視し、どう行動するか』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ジム・ロジャーズさん、花輪陽子さん/アレックス・南レッドヘッドさん(監修翻訳)の『世界大異変 現実を直視し、どう行動するか』を読みました。 ジム・ロジャーズさんは、世界三大投資家の一人として注目される投資家…

茨の道を、選べるのはまだ幸せなのか。『母親になって後悔してる』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 オルナ・ドーナトさん、鹿田昌美さん訳『母親になって後悔してる』を読みました。 このタイトルを一目見て、こんなセリフ、母親から言われたらショックだけど、少なからずこういう気持ちになったことはあっただろうな、…

個性と個性がぶつかる時。『一度きりの大泉の話』を読んで

5おはようございます、ゆまコロです。 萩尾望都先生のエッセイ、『一度きりの大泉の話』を読みました。 この本は、萩尾先生が1970年10月から1972年11月始めまで、大泉で生活されていた頃のお話が中心に書かれています。 このお家には、竹宮惠子先生が一緒に…

自分さえ良ければいい、からの脱却。「「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 苫米地英人さんの『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』を読みました。 断捨離という言葉が好きな私。 「頭のゴミ」ってなんだろうと思って手に取りました。 一流企業の不満社員 あなたのまわりにもこんな人…

なんとかテニスを続けたい。『ヘバーデン結節の8割は食事でよくなる!』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 私は30代に入ってからテニススクールに通い始めました。 去年の夏、スクールでの受講中、これまで感じたことのない体の一部分が痛くなり、違和感を覚えました。 右手中指の第一関節が痛い。 何をしていても痛くてたまら…

自分を強く持つ。『鋼の自己肯定感 最先端の研究結果×シリコンバレーの習慣から開発された“二度と下がらない”方法』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 宮崎直子さんの『鋼の自己肯定感 最先端の研究結果×シリコンバレーの習慣から開発された“二度と下がらない”方法』を読みました。 世界中から優秀なエンジニアたちが集まってくるシリコンバレー。個性、 自由な発想、そし…

私のための価値ある勉強。『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 鳩山玲人さんの『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』を読みました。 「大人の勉強は学生時代の10倍の価値がある」という帯が気になって手に取りました。 これは考えたことなかったな、と思ったのは、…

先人たちの教えから足元を見直す。『内村鑑三「代表的日本人」を読む 西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮』を読んで 

おはようございます、ゆまコロです。 童門冬二さんの『内村鑑三「代表的日本人」を読む 西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮』を読みました。 佐藤優さんの『危機の読書』を読んでいて出てきた本です。 ただ、もともとは諸外国に日本人とはこうい…

強く自由でまっすぐな生き方。『TOVE トーベ』

おはようございます、ゆまコロです。 アマゾンプライムビデオで『TOVE トーベ』を観ました。 原作のムーミンがとてもとても好きなので、ずっと観たかった映画です。 お気に入りのシーンは以下の場面です。 スウェーデン劇場にて、ムーミンのお芝居を練習中の…

これが危機でなくて何なのか。『危機の読書』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 佐藤優さんの『危機の読書』を読みました。 著者は外交官でもある作家さんです。 帯に「生き延びるためのブックガイド」とあり、気になって手に取りました。 手嶋 龍一さんの『鳴かずのカッコウ』と、著者のモスクワの日…

悲劇の定義。『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実 本当の悲劇は何だったのか』を読んで

こんにちは、ゆまコロです。 西岡昌紀さんの『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実 本当の悲劇は何だったのか』を読みました。 著者の西岡昌紀さんはナチスのユダヤ人を差別・迫害の事実を認めていますが、そのドイツと言えど、彼らが、ユダヤ人をただユダヤ人…

外を意識しない状態を目指す。『[禅的]持たない生き方』を読んで。

おはようございます、ゆまコロです。 金嶽宗信さんの『[禅的]持たない生き方』を読みました。 帯の「いらないものは、いさぎよく「捨てる」。 そもそも、はじめから「持たない」。 「後ろ向きな感情」も、 「よけいな人間関係」も。」という言葉に惹かれて…

初心に帰って美肌を考える。『「コロナ老け知らず」女医の美肌習慣』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 石井美夏さんの『「コロナ老け知らず」女医の美肌習慣』を読みました。 季節を問わず3年もマスク生活が続き、もともと大して力の入っていなかったメイクもこれ幸いとばかり目元にしか施さない省エネモードになり、それ…

他者のために発揮する力。『アウシュヴィッツで君を想う』を読んで

こんにちは、ゆまコロです。エディ・デ・ウィンド、塩﨑香織(訳)『アウシュヴィッツで君を想う』を読みました。著者のエディ・デ・ウィンドはユダヤ系オランダ人の精神科医・精神分析家です。作中ではハンス・ファン・ダムと表記されています。物語はウェ…