ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

デーヴ・グロスマン『戦争における「人殺し」の心理学』

おはようございます、ゆまコロです。 デーヴ・グロスマン、安原和見(訳)『戦争における「人殺し」の心理学』を読みました。 作者はアメリカの陸軍士官学校心理学・軍事社会学教授でもある陸軍中佐です。 「なぜ人は人と戦い、殺すのか」ということを、心理学…

あさのあつこ『透明な旅路と』

おはようございます、ゆまコロです。 あさのあつこ『透明な旅路と』を読みました。 あさの作品にしては孤独で内省的な描写が多く、『福音の少年』と少し似た感じがします。 自分の力だけで生きていけるようになりたかった。吉行明敬という人間にはりつき、の…

舞城王太郎『私はあなたの瞳の林檎』

おはようございます。ゆまコロです。 舞城王太郎『私はあなたの瞳の林檎』を読みました。 以前、同じ作者の『阿修羅ガール』を読んだとき、その文章の勢いと展開に圧倒されました。 面白かったのですがそれ以上に怖かったので、それからこの作者の本は読んで…

小川洋子『博士の愛した数式』

おはようございます、ゆまコロです。 小川洋子『博士の愛した数式』を読みました。 ゆまコロにしては珍しく、映画を観たあとに本を読みました。 80分しかとどめていられない博士の記憶が、ある日短縮された場面が一番衝撃的でした。 好きな箇所はこちらです…

重松清『トワイライト』

おはようございます、ゆまコロです。 重松清『トワイライト』を読みました。 以前読んだ『疾走』が恐ろしかったので、あの時ほど酷い展開にはならないだろう、と何となく思いつつ読んでいて、スイカ割りの場面で一気に現実に戻されました。 作者が重松清であ…

ジョン・クリストファー『トリポッド④凱歌』

おはようございます、ゆまコロです。 ジョン・クリストファー、中原尚哉(訳)『トリポッド④凱歌』を読みました。 トリポッドの都市からデータを持ち帰った主人公・ウィルたちは、いよいよ侵略者たちと対決します。 「人間はもうおたがいに戦ったりしてないよ…

ベルンハルト・シュリンク『逃げてゆく愛』

おはようございます、ゆまコロです。 ベルンハルト・シュリンク、松永美穂(訳)『逃げてゆく愛』を読みました。 『朗読者』を書いた作者の短編集です。 最後にちょっとした驚きや、余韻を残して終わるところが、『朗読者』の時と似ていて、好きな感じです。 …

ジョン・クリストファー『トリポッド③潜入』

おはようございます、ゆまコロです。 ジョン・クリストファー、中原尚哉(訳)『トリポッド③潜入』を読みました。 トリポッドへの抵抗勢力「白い山脈」に参加したウィルたちは、トリポッド自体が意思を持つ存在なのか、それとも別の生命体が操縦している機械に…

グレイス・ペイリー『最後の瞬間のすごく大きな変化』

おはようございます、ゆまコロです。 グレイス・ペイリー、村上春樹(訳)『最後の瞬間のすごく大きな変化』を読みました。 E.ホッパーの表紙と、村上春樹さんの訳に惹かれて手に取りました。 なのですが、内容は難しく、よく分からないまま終わってしまった印…

乙一『GOTH 夜の章』

おはようございます、ゆまコロです。 乙一『GOTH 夜の章』を読みました。 主人公(僕)と友人である森野夜は、猟奇的な事件などに関心を寄せるという共通点を持っており、段々とそういった事件に巻き込まれていくお話です。 僕や森野は、異常な事件や、それ…

寺山修二『ポケットに名言を』

おはようございます、ゆまコロです。 寺山修二『ポケットに名言を』を読みました。 著者がまとめた格言集です。(『人生はニャンとかなる!』みたいな本です。) 寺山修二の言葉で好きなのは、 なみだは人間の作るいちばん小さな海です。 (「人魚姫」より)…

重松清『疾走・下』

おはようございます、ゆまコロです。 重松清『疾走・下』を読みました。 下巻で好きな場面は、このシーンです。 カゴが空になった自転車をとばして専売所に戻る。朝の風と光を正面から浴びた。見知らぬひとの不幸や悲劇を悲しいと感じられる自分が、少し嬉し…

重松清『疾走・上』

おはようございます、ゆまコロです。 重松清『疾走・上』を読みました。 お話の舞台は、以下のような場所です。 「沖」(干拓地にある集落)と「浜」(干拓以前からある集落)に分かれている日本のある町の中で、お互いはほとんど交流なく暮らしています。 …

末次由紀『ちはやふる42巻』

おはようございます、ゆまコロです。 末次由紀『ちはやふる42巻』を読みました。 クイーン戦の最終準備と、前夜祭、そして決定戦の朝までのお話です。 この巻も衝撃的なことが多く、まだ頭の中でまとまっていませんが、取り急ぎ感想を書きます。 表紙のカラ…

濱田マサル『読む美容辞典』

おはようございます、ゆまコロです。 濱田マサル『読む美容辞典』を読みました。 分厚い本ですが、ヘアメイクアップアーティストである作者の、twitterのつぶやきが元になっているので、読破するのが大変ということはありません。 ただ、どのページをめくっ…

あさのあつこ『福音の少年』

おはようございます、ゆまコロです。 あさのあつこ『福音の少年』を読みました。 主人公の少年・明帆が、お付き合いをしていた同級生・藍子の死に疑問を抱き、彼女の幼馴染の陽と真相を探るお話です。 交際中の16歳の二人がいきなりギクシャクしているので、…

ジョン・クリストファー『トリポッド ②脱出』

おはようございます、ゆまコロです。 ジョン・クリストファー、中原尚哉(訳)『トリポッド ②脱出』を読みました。 1巻から100年ほど経った世界で、地球が侵略者であるトリポッドに征服されたあとの物語です。 物語では人々はある年齢まで成長すると、キャッ…

エーリッヒ・ケストナー『一杯の珈琲から』

おはようございます、ゆまコロです。 エーリッヒ・ケストナー、小松太郎(訳)『一杯の珈琲から』を読みました。 物語の主人公の日記を預かり、それを本にすることにした、と断って話が始まる冒頭に、ケストナーっぽさを感じます。 主人公ゲオルグの、5つの…

プラープダー・ユン『地球で最後のふたり』

おはようございます、ゆまコロです。 プラープダー・ユン、吉岡憲彦(訳)『地球で最後のふたり』を読みました。 バンコク出身の作者はタイ王国で兵役に就いた後、小説を書くようになったそうです。 本書は同じタイトルの映画の脚本です。 バンコク日本文化…

金城一紀『GO』

おはようございます、ゆまコロです。 金城一紀『GO』を読みました。 この本は、朝鮮籍から韓国籍を経て日本に帰化した作者の、半自伝の形をとっています。 在日韓国人の主人公・杉原が、父親にボクシングを習い、ケンカに明け暮れる日々の中で、桜井という女…

パウロ・コエーリョ『ベロニカは死ぬことにした』

おはようございます、ゆまコロです。 パウロ・コエーリョ、江口研一(訳)『ベロニカは死ぬことにした』を読みました。 『アルケミスト 夢を旅した少年』と同じ作者ですが、その時とは違う訳者さんです。印象も変わるかなと思って手に取りました。 物語前半…

古川日出男『gift』

おはようございます、ゆまコロです。 古川日出男『gift』を読みました。 柴田元幸さんが書いた帯に惹かれて手に取りました。 短編集ですが、この中で好きな話は2つあります。 この店の主人に叱られて、ぼくは初めて焼き鮎が頭からまるごと食べられるんだと…

パウロ・コエーリョ『アルケミスト 夢を旅した少年』

おはようございます、ゆまコロです。 パウロ・コエーリョ、山川絋矢+山川亜希子(訳)『アルケミスト 夢を旅した少年』を読みました。 作者はブラジルの小説家です。 大学在学中に旅に出たという作者の経験がもとになっているのでしょうか。 旅をする少年の…

ジョン・クリストファー『トリポッド ①来襲』

おはようございます、ゆまコロです。 ジョン・クリストファー、中原尚哉(訳)、西島大介(絵)『トリポッド ①来襲』を読みました。 西島大介さんの絵が好きです。 表紙の色使いが可愛いと思って手に取りました。 SFの合間に繰り広げられる、現実の世界の話…

ポール・スローン『ポール・スローンの思考力を鍛える30の習慣』

おはようございます、ゆまコロです。 ポール・スローン、黒輪篤嗣(訳)『ポール・スローンの思考力を鍛える30の習慣』を読みました。 本の帯にレイトン教授が描いてあり、つい手に取ってしまいました。 発想力、記憶力、会話力を伸ばすための30のヒントが書…

ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

こんにちは、ゆまコロです。 ミラン・クンデラ、千野栄一(訳)『存在の耐えられない軽さ』を読みました。 読む前から、なんだか気になるタイトルだな、と思っていました。 軽い存在ってどういうものだろう、という疑問が浮かびます。 舞台は冷戦下のチェコ…

ポール・オースター『リヴァイアサン』

おはようございます、ゆまコロです。 ポール・オースター、柴田元幸(訳)『リヴァイアサン』を読みました。 手に取った時、このタイトル、なんだかどこかで聞いたことがあるような気がする、と思いました。 この言葉には、2つの意味があります。 旧約聖書に…

シェリー・ベネット『ラーラはただのデブ』

おはようございます、ゆまコロです。 シェリー・ベネット、中谷ハルナ(訳)『ラーラはただのデブ』を読みました。 同じ職場の女性が面白がって読んでいたので、借りてみました。 すごいタイトルだな、と思って開いたのですが、中身もなかなかインパクトがあ…

ロバート・キャパ『ちょっとピンぼけ』

おはようございます、ゆまコロです。 ロバート・キャパ、川添浩史・井上精一(訳)『ちょっとピンぼけ』を読みました。 ロバート・キャパは、ハンガリー生まれの写真家です。 キャパの撮った写真からは、その時その場所で彼が聞いたであろう音が聞こえてきそ…

しぶ『手ぶらで生きる。 見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』

おはようございます、ゆまコロです。 しぶ『手ぶらで生きる。 見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』を読みました。 ミニマリストに憧れます。この本は、同じくミニマリストへの道を歩んでいるお友達に借りました。 冒頭の「カバンの中身」の写真ページ…