ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

星新一『声の網』

おはようございます、ゆまコロです。 星新一『声の網』を読みました。 タイトルから何となくイメージできる通り、インターネットを想起させるお話です。 書かれたのが1969年というのが凄いです。 ショートショート(超短編)で有名な星新一先生には珍しい、…

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟 2』

おはようございます、ゆまコロです。 ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟 2』を読みました。 1巻も読んだのですが、よく分からないなぁと思いながら2巻に進んだら、面白くなってきたので、とりあえず感想を書きます。 謎解き的な要素に関わるので、あまり…

角野栄子『魔女の宅急便その5 魔法のとまり木』

おはようございます、ゆまコロです。 角野栄子『魔女の宅急便その5 魔法のとまり木』を読みました。 19歳になったキキのお話です。 プロローグでの彼女の成長ぶりに、結構胸が熱くなります。 (しかし、遠くの町にいるとんぼさんとはすれ違っています。) コ…

村上春樹『蛍・納屋を焼く・その他の短編』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹『蛍・納屋を焼く・その他の短編』を読みました。 同じ作者の短編なのに、話によってこんなに「これは好き」「これは好きではない」という好みが分かれるものだろうか、と思いながら読みました。 ざっくり感想を…

サン=テグジュペリ『星の王子さま』

おはようございます、ゆまコロです。 サン=テグジュペリ、池澤夏樹(訳)『星の王子さま』を読みました。 子どもの頃に読んだ時には、面白いのかそうでないのかよく分からない、という感想を抱きました。 今改めて読むと、長くない物語である割に、教訓めい…

夏目漱石『坊ちゃん』

おはようございます、ゆまコロです。 夏目漱石『坊ちゃん』を読みました。 初めてこの話を読んだ時、思ったよりも面白かったと感じたのを覚えています。(失礼な言い方ですみません。) ただ、期待に胸を膨らませて読んでいた「マドンナ」が結局出てこないの…

「チェコ・デザイン100年の旅」に行ってきました。

おはようございます、ゆまコロです。 東京・世田谷美術館で開催中の「チェコ・デザイン100年の旅」に行ってきました。 アルフォンス・ミュシャの絵が好きなので、チェコつながりで興味を持ち、行ってきました。 9月の日曜日に行きましたが、開館5分前くらい…

森鴎外『ヰタ・セクスアリス』

おはようございます、ゆまコロです。 森鴎外『ヰタ・セクスアリス』を読みました。 性欲的生活(ラテン語)という意味のタイトルらしいのですが、全体を通して、肉体的な欲望を綺麗に客観視している、といった印象でした。上品ささえ感じます。 僕はどんな芸…

川端康成『みずうみ』

おはようございます、ゆまコロです。 川端康成『みずうみ』を読みました。 好みの女性を見つけると、その後をついて行ってしまうという男性が主人公です。 その行動は社会規範的にどうなのか、ということはとりあえず置いておいて、ところどころに出てくる、…

ウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミーラー『風をつかまえた少年』

おはようございます、ゆまコロです。 ウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミーラー、田口俊樹(訳)『風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった』を読みました。 電気を使用しているのは国民の2パーセントほど、という事実…

ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』

おはようございます、ゆまコロです。 ティム・オブライエン、村上春樹(訳)『本当の戦争の話をしよう』を読みました。 ベトナム戦争がテーマの短編集です。 この本の中で好きなのは、「レイニー河で」という話です。 どうやら私は、勇気というものは遺産と…

ポール・オースター『ルル・オン・ザ・ブリッジ』

おはようございます、ゆまコロです。 ポール・オースター、畔柳和代(訳)『ルル・オン・ザ・ブリッジ』を読みました。 戯曲なのですが、やはりオースターはオースター、という感じです。 イジーの前妻・ハンナが魅力的です。 「私が誰かを愛したら、それは…

ジャン・ジュネ『葬儀』

おはようございます、ゆまコロです。 ジャン・ジュネ、生田耕作(訳)『葬儀』を読みました。 作者はフランスの小説家・劇作家・詩人です。 読んだ印象は、作者自身が思索を巡らしている段階なのかな、という感じでした。 もちろんそういう効果なのでしょう…

村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』を読みました。 村上春樹さんが考える、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の魅力についてのお話が興味深いです。 村上春樹:僕は『キャッチャー』という小説が今でも…

「コートールド美術館展 魅惑の印象派」に行ってきました。

こんにちは、ゆまコロです。 東京・上野の東京都美術館にて開催中の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」に行ってきました。 9月の日曜日、9:30の開館の5分前に着きましたが、もう既に30人以上の列が出来ていました。 ただ、少しづつ会場に入れて下さった…

ひすいこたろう『あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。 1秒でこの世界が変わる70の答え』

おはようございます、ゆまコロです。 ひすいこたろう『あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。 1秒でこの世界が変わる70の答え』を読みました。 つまらない毎日を、ドラマチックに変える視点が、70個紹介され…

村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』を読みました。 著者お二人の「競訳」が見どころの本です。 「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」が良いなと思いました。 お二人のお話で、興味深いのは、登場人物のセリフの訳し…

J.D.サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』

おはようございます、ゆまコロです。 J.D.サリンジャー、村上春樹(訳)『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読みました。 読む前に思っていたよりも、ずっと分かりにくい本でした。 展開としては、ちょっと自意識過剰な16歳の不良少年が学校を追い出され、寮…

モフセン・マフマルバフ『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』

おはようございます、ゆまコロです。 モフセン・マフマルバフ、武井みゆき+渡部良子(訳)『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』を読みました。 作者はイラン出身の映画監督です。 特徴的なタイトルだと思って手に取り…

村上春樹『シドニー!②ワラビー熱血篇』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹『シドニー!②ワラビー熱血篇』を読みました。 シドニー五輪のルポタージュの後編です。 この巻では、有森裕子選手の求める、「人間的なランナー」として生きることは、どれほどしんどいことかが垣間見えます。 …

村上春樹『シドニー!①コアラ純情篇』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹『シドニー!①コアラ純情篇』を読みました。 2000年のシドニーオリンピックの時の、村上春樹さんのルポタージュです。 冒頭の、アトランタオリンピック(1996年)の女子マラソンを、有森裕子選手の視点で書いた…

ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』

おはようございます、ゆまコロです。 ジュンパ・ラヒリ、小川高義(訳)『停電の夜に』を読みました。 作者は、カルカッタ出身のベンガル人の両親のもと、ロンドンで生まれ、幼少時に渡米したそうです。 どれも魅力的なシチュエーションと、少し切ない結末が…

マーク・ヴァンホーナッカー『グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅』

おはようございます、ゆまコロです。 マーク・ヴァンホーナッカー『グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘(いざな)う最高の空旅』を読みました。 ブリティッシュ・エアウェイズ社のパイロットが書いたエッセイです。 知っている風景がいつもと違…

水野英子『ファイヤー!』

こんばんは、ゆまコロです。 水野英子『ファイヤー!』を読みました。 「みんなのミュシャ」展に出品されていた扉絵を見て、可愛い絵だったので読んでみました。 アメリカ・オハイオ州出身の少年が、ミュージシャンを目指す物語です。 主人公・アロンが、歌…

エミリー・ブロンテ『嵐が丘』

おはようございます、ゆまコロです。 エミリー・ブロンテ、田中西二郎(訳)『嵐が丘』を読みました。 主人公の性格的に仕方がないことなのかもしれませんが、皮肉な言い回しが多く、セリフのどれが本心なのか判断しかねます。なので、物語の世界に入ってい…

村上春樹『アフターダーク』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹『アフターダーク』を読みました。 いろんな視点から語られる話なのですが、輪郭がぼんやりとしていて、誰かの夢を見ているような不思議な感覚に陥ります。 印象的な科白はこちら。 「そういう気持ちになれんか…

斉藤洋『童話作家はいかが』

おはようございます、ゆまコロです。 斉藤洋『童話作家はいかが』を読みました。 大好きな『ルドルフとイッパイアッテナ』シリーズの作者のエッセイです。 斉藤洋さんがこの物語の執筆に何をヒントにして、またどのくらいの熱意を持って生み出されたのか?が…

瀬尾まいこ『卵の緒』

おはようございます、ゆまコロです。 瀬尾まいこ『卵の緒』を読みました。 印象的なのは、育生くんがお父さんを亡くすこのシーンです。 僕はたった一瞬の間に自分に関するいろんなことを知ってしまった。なぜか大きな驚きはなかった。ただ、不思議なことに僕…

リュドミラ・ウリツカヤ『ソーネチカ』

おはようございます、ゆまコロです。 リュドミラ・ウリツカヤ、沼野恭子(訳)『ソーネチカ』を読みました。 本の虫である主人公ソーネチカが家庭を築くお話です。 ロシアの寒い図書館で、将来の夫になるロベルトに出会う辺りの、ちょっと夢見がちな日常の描…

水谷修『あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論』

おはようございます、ゆまコロです。 水谷修『あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論』を読みました。 これまであまり考えたことのなかった視点から、子どもの行動を考察しているのが新鮮でした。 例えば、自らが考える力について、水谷修さんによれば、 …