ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ひすいこたろう『あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。 1秒でこの世界が変わる70の答え』

おはようございます、ゆまコロです。 ひすいこたろう『あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。 1秒でこの世界が変わる70の答え』を読みました。 つまらない毎日を、ドラマチックに変える視点が、70個紹介され…

村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』を読みました。 著者お二人の「競訳」が見どころの本です。 「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」が良いなと思いました。 お二人のお話で、興味深いのは、登場人物のセリフの訳し…

J.D.サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』

おはようございます、ゆまコロです。 J.D.サリンジャー、村上春樹(訳)『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読みました。 読む前に思っていたよりも、ずっと分かりにくい本でした。 展開としては、ちょっと自意識過剰な16歳の不良少年が学校を追い出され、寮…

モフセン・マフマルバフ『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』

おはようございます、ゆまコロです。 モフセン・マフマルバフ、武井みゆき+渡部良子(訳)『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』を読みました。 作者はイラン出身の映画監督です。 特徴的なタイトルだと思って手に取り…

村上春樹『シドニー!②ワラビー熱血篇』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹『シドニー!②ワラビー熱血篇』を読みました。 シドニー五輪のルポタージュの後編です。 この巻では、有森裕子選手の求める、「人間的なランナー」として生きることは、どれほどしんどいことかが垣間見えます。 …

村上春樹『シドニー!①コアラ純情篇』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹『シドニー!①コアラ純情篇』を読みました。 2000年のシドニーオリンピックの時の、村上春樹さんのルポタージュです。 冒頭の、アトランタオリンピック(1996年)の女子マラソンを、有森裕子選手の視点で書いた…

ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』

おはようございます、ゆまコロです。 ジュンパ・ラヒリ、小川高義(訳)『停電の夜に』を読みました。 作者は、カルカッタ出身のベンガル人の両親のもと、ロンドンで生まれ、幼少時に渡米したそうです。 どれも魅力的なシチュエーションと、少し切ない結末が…

マーク・ヴァンホーナッカー『グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅』

おはようございます、ゆまコロです。 マーク・ヴァンホーナッカー『グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘(いざな)う最高の空旅』を読みました。 ブリティッシュ・エアウェイズ社のパイロットが書いたエッセイです。 知っている風景がいつもと違…

水野英子『ファイヤー!』

こんばんは、ゆまコロです。 水野英子『ファイヤー!』を読みました。 「みんなのミュシャ」展に出品されていた扉絵を見て、可愛い絵だったので読んでみました。 アメリカ・オハイオ州出身の少年が、ミュージシャンを目指す物語です。 主人公・アロンが、歌…

エミリー・ブロンテ『嵐が丘』

おはようございます、ゆまコロです。 エミリー・ブロンテ、田中西二郎(訳)『嵐が丘』を読みました。 主人公の性格的に仕方がないことなのかもしれませんが、皮肉な言い回しが多く、セリフのどれが本心なのか判断しかねます。なので、物語の世界に入ってい…

村上春樹『アフターダーク』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹『アフターダーク』を読みました。 いろんな視点から語られる話なのですが、輪郭がぼんやりとしていて、誰かの夢を見ているような不思議な感覚に陥ります。 印象的な科白はこちら。 「そういう気持ちになれんか…

斉藤洋『童話作家はいかが』

おはようございます、ゆまコロです。 斉藤洋『童話作家はいかが』を読みました。 大好きな『ルドルフとイッパイアッテナ』シリーズの作者のエッセイです。 斉藤洋さんがこの物語の執筆に何をヒントにして、またどのくらいの熱意を持って生み出されたのか?が…

瀬尾まいこ『卵の緒』

おはようございます、ゆまコロです。 瀬尾まいこ『卵の緒』を読みました。 印象的なのは、育生くんがお父さんを亡くすこのシーンです。 僕はたった一瞬の間に自分に関するいろんなことを知ってしまった。なぜか大きな驚きはなかった。ただ、不思議なことに僕…

リュドミラ・ウリツカヤ『ソーネチカ』

おはようございます、ゆまコロです。 リュドミラ・ウリツカヤ、沼野恭子(訳)『ソーネチカ』を読みました。 本の虫である主人公ソーネチカが家庭を築くお話です。 ロシアの寒い図書館で、将来の夫になるロベルトに出会う辺りの、ちょっと夢見がちな日常の描…

水谷修『あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論』

おはようございます、ゆまコロです。 水谷修『あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論』を読みました。 これまであまり考えたことのなかった視点から、子どもの行動を考察しているのが新鮮でした。 例えば、自らが考える力について、水谷修さんによれば、 …

角野栄子『トンネルの森 1945』

おはようございます、ゆまコロです。 角野栄子『トンネルの森 1945』を読みました。 角野先生の体験が元になったお話と知り、気になっていた本です。 主人公の少女・イコちゃんがお母さんをなくし、住んでいた東京深川から疎開するところから物語は始まるの…

立花隆+東京大学教養学部立花隆ゼミ『二十歳のころⅠ 1937~1958』

おはようございます、ゆまコロです。 立花隆+東京大学教養学部立花隆ゼミ『二十歳のころⅠ 1937~1958』を読みました。 どの調査の話も興味深く、身を乗り出して聞きたくなる言葉が多いのですが、とくに覚えておきたいと強く感じたのは、長崎の原爆被害者の下…

村上春樹『スプートニクの恋人』

おはようございます、ゆまコロです。 村上春樹『スプートニクの恋人』を読みました。 長くない本なのですが、随所に覚えておきたいと思った会話があります。 「もしそれが性欲じゃないと言うのなら、わたしの血管を流れているのはトマト・ジュースよ」 「う…

ジャン・デ・カール『狂王ルートヴィヒ 夢の王国の黄昏』

おはようございます、ゆまコロです。 ジャン・デ・カール、三保元(訳)『狂王ルートヴィヒ 夢の王国の黄昏』を読みました。 ノイシュヴァンシュタイン城に興味を持ち、手に取ってみました。 ルートヴィヒ2世の40年の生涯には、どうしてこうなるのだろう、と…

スー・モンク・キッド『リリィ、はちみつ色の夏』

おはようございます、ゆまコロです。 スー・モンク・キッド、小川高義(訳)『リリィ、はちみつ色の夏』を読みました。 1964年にジョンソン大統領が公民権法に署名し、法律上明確に差別が禁じられた頃のお話です。 「先の見込みなんかないってことさ」 「な…

山口真由『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。(図解版)』

おはようございます、ゆまコロです。 山口真由『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。(図解版)』を読みました。 新しいものを学習するときはできるだけ早く 「知っていること 8割 知らないこと 2割」 の、状態に持っていくこと…

ミニマルライフ研究所『「何もない部屋」で暮らしたい』

おはようございます、ゆまコロです。 ミニマルライフ研究所『「何もない部屋」で暮らしたい』を読みました。 10人のミニマリストさんのお部屋の写真と、どうしてミニマリストになったのか、といういきさつ、ライフスタイルのこだわりが紹介されています。 …

アーシュラ・K・ル=グウィン『さいはての島へ ゲド戦記Ⅲ』

おはようございます、ゆまコロです。 アーシュラ・K・ル=グウィン、清水真砂子(訳)『さいはての島へ ゲド戦記Ⅲ』を読みました。 2巻よりもずっと、もったりした雰囲気の3巻です。 この巻で、気になったセリフはこちらです。 仕上がってくるものがおかし…

舞城王太郎『熊の場所』

おはようございます、ゆまコロです。 舞城王太郎『熊の場所』を読みました。 短編集です。収録されている3篇の書体が全て異なっているのがなんだか可愛いと思いました。 まずは「熊の場所」より。 恐怖とは一体なんだろう。恐怖とは、一体何に対して生じる感…

杉田俊介『安彦良和の戦争と平和 ガンダム、マンガ、日本』

おはようございます、ゆまコロです。 杉田俊介『安彦良和の戦争と平和 ガンダム、マンガ、日本』を読みました。 本書は、アニメ監督・漫画家の安彦良和さんのこれまでの作品について、批評家の杉田俊介さんが対談と解説を交えながら、戦争と日本人について考…

アーシュラ・K・ル=グウィン『こわれた腕環 ゲド戦記Ⅱ』

おはようございます、ゆまコロです。 アーシュラ・K・ル=グウィン、清水真砂子(訳)『こわれた腕環 ゲド戦記Ⅱ』を読みました。 ゲドが影と戦った1巻とは、ずいぶん雰囲気の違う続巻です。 好きなのは、テナーが海を見る場面です。 砂漠も山も、こんなふう…

ウワディスワフ・シュピルマン『戦場のピアニスト』

おはようございます、ゆまコロです。 ウワディスワフ・シュピルマン、佐藤泰一(訳)『戦場のピアニスト』を読みました。 ポーランド出身のピアニストである著者の、1939年8月から、1945年1月までの行動を記録するような形式で、本書の大部分が構成されていま…

小山宙哉『宇宙兄弟 35巻』

おはようございます、ゆまコロです。 小山宙哉『宇宙兄弟 35巻』を読みました。 いよいよ月面天文台が完成し、感慨深い35巻です。 今回、心に残ったシーンはこちらです。 種子島にソユーズが届くシーン。 「Airbus Beluga」(航空機のコンポーネントを空輸す…

「みんなのミュシャ」展に行ってきました。

おはようございます、ゆまコロです。 東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「みんなのミュシャ」展に行ってきました。 8月の平日、開館時間の30分ほど前に到着し、一番前で待っていました。開館時間の10時少し前には行列は20人ほど。 入口付近は…

アーシュラ・K・ル=グウィン『影との戦い ゲド戦記Ⅰ』

おはようございます、ゆまコロです。 アーシュラ・K・ル=グウィン、清水真砂子(訳)『影との戦い ゲド戦記Ⅰ』を読みました。 初めてこの本を読んだのは、大学生の時です。(生涯学習の講義の課題図書でした。)友達と、ハリー・ポッターと似ていると話し…