ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

「みんなのミュシャ」展に行ってきました。

おはようございます、ゆまコロです。

 

東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「みんなのミュシャ」展に行ってきました。

 

8月の平日、開館時間の30分ほど前に到着し、一番前で待っていました。開館時間の10時少し前には行列は20人ほど。

 

入口付近は少し混雑しますが、作品はポスターなど大きめなサイズが多く、人がいっぱいで見えないということも無かったです。

 

今回、心を動かされたのは、以下の展示でした。

 

磔刑図」(1868年)という作品です。

初めて見ました。十字架が立体的なうえに、遠くに街が描かれて遠近法を取り入れているのが分かります。8歳の描く絵って、こんな感じなのだろうか?と思いますが、これからミュシャがたどる道を考えれば、まあ妥当であるような気もしました。

 

  • 挿絵画家時代の作品がある。

ミュシャはパリでの初期苦闘時代、雑誌の挿絵で生計を立てていました。

今回の展示では、その挿絵が使われた書籍や、スケッチ、風刺雑誌のためのレイアウト図案なども展示されています。

本に載っている挿絵は緻密で陰影がはっきりしていて、一瞬写真が載っているように見えるほどです。モノクロで発表された作品を見ると、非常にデッサンが上手だなと感じるものが多かったです。

 

ミュシャが日本に与えた影響を表すものとして、藤島武二がデザインした『みだれ髪』の復刻版が展示されています。こうしてミュシャ作品の中に混じっていると、確かに藤島武二さんがミュシャを強く意識していることがよく分かります。

 

一緒に行った母がこの展示を楽しみにしていました。『ファイヤー!』の扉絵などを見ると、ミュシャの作品から受けた衝撃を自分の感覚に落とし込もうとしている漫画家さんの試みが伝わってきます。

 

 今回、一番長い時間見たのは『モナコモンテカルロ』(1897年)とその習作です。(展覧会のメイン・ビジュアルの緑色の方の絵です。)

何度も見たことのある絵でしたが、デッサンを見ると、「ここから完成形にするまでどのくらいの時間がかかっているのだろう?」と思うほど、大きなポスターの細部にまで、たくさんのディテールが書き込まれています。

女の子の頭上に鳥たちがとまっているのが、細やかに描かれていて可愛らしいです。ちょっとやそっとでは見飽きません。

 

鉄道の利用促進のためのポスターなのに、列車も旅行者も描かず、旅への期待を胸に空想している女の子を描いた、という解説板を見て、その演出に身もだえしました。

(ミュージアムショップには、この絵とペコちゃんがコラボしたクッキー缶もありました。)

 

また一部、写真撮影が可能な部屋もあります。

 

過去2回、他の場所で開催されたミュシャ展に行ったことがありますが、また違った切り口からの展示で、とても面白かったです。

ミュシャ、前にも観たしな~」という方にも観て頂きたい。きっとまた違う一面が見られるはずです。

 

東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムにて開催中〜2019年9月29日(日)まで。

www.ntv.co.jp

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。f:id:hamletclone:20190817175135j:image