おはようございます、ゆまコロです。
モフセン・マフマルバフ、武井みゆき+渡部良子(訳)『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』を読みました。
作者はイラン出身の映画監督です。
特徴的なタイトルだと思って手に取りました。彼のスピーチをまとめた本です。
少し前の本ですが、アフガニスタンでどんなことが起こったのか、興味がありました。
アフガン人は、自分の母国を離れ、他者に軽蔑と哀れみをこめてアフガン人と呼ばれない限り、自分をアフガン人だと認識することはない。アフガニスタンの中では、アフガン人はそれぞれ、パシュトゥン人であり、ハザラ人であり、ウズベク人であり、タジク人なのだ。
日本で見聞きすると複雑な心境になるターリバーンという言葉でしたが、この政権が「国民の第一の要求である治安の実現に応えることができた唯一の政府」であったと聞くと、もし、少し前に自分がアフガニスタンに生まれていたとしたら、おそらくターリバーン政権を支持したのではないか、という気持ちになりました。
特に印象的だったのはこの言葉です。
「仏陀は世界に、このすべての貧困、無知、抑圧、大量死を伝えるために崩れ落ちた。しかし、怠惰な人類は、仏像が崩れたということしか耳に入らない。
こんな中国の諺がある。
「あなたが月を指差せば、愚か者はその指を見ている」」
起こった出来事の原因と論点について、拙くとも自分の頭で考えようと思わされる本でした。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ
- 作者: モフセンマフマルバフ,Mohsen Makhmalbaf,武井みゆき,渡部良子
- 出版社/メーカー: 現代企画室
- 発売日: 2001/11/01
- メディア: 単行本
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