おはようございます、ゆまコロです。
J.D.サリンジャー、村上春樹(訳)『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読みました。
読む前に思っていたよりも、ずっと分かりにくい本でした。
展開としては、ちょっと自意識過剰な16歳の不良少年が学校を追い出され、寮を抜け出して家に帰る、というものなのですが、ストーリー以上の解釈を読み手に迫っているような圧力を感じます。
「僕が本当にノックアウトされる本というのは、読み終わったときに、それを書いた作家が僕の大親友で、いつでも好きなときにちょっと電話をかけて話せるような感じだといいのにな、と思わせてくれるような本なんだ。でもそういうのって、そんなにしょっちゅうあることじゃない。」
本好きなら憧れる、素敵なシチュエーションです。
共感できるような、出来ないような気持ちになりながら、心に残ったセリフがこちらです。
「「ああ、フィービー、うまく説明できないよ。僕はただ、ペンシーでおこなわれていることが何ひとつとして好きになれなかったんだ。ちゃんと説明できないけど」
それからフィービーが何か言ったんだけど、よく聞こえなかった。(中略)
「けっきょく、世の中のすべてが気に入らないのよ」
それを聞いて、僕はさらにぐんぐん落ち込んでしまった。
「そうじゃない。そういうんじゃないんだ。絶対にちがう。まったくもう、なんでそんなことを言うんだよ?」
「まさにそのとおりだからよ。あなたは学校と名のつくものが何もかも気に入らないじゃない。気に入らないことがごっそり百万個くらいあるじゃない。そのとおりでしょう?」」
読み終わったあと、この本について、どう考えていいのかよく分からなかったので、翻訳者の村上春樹さんがサリンジャーについて書いた新書を読むことにしました。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
- 作者: J.D.サリンジャー,J.D. Salinger,村上春樹
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 新書
- 購入: 11人 クリック: 73回
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