ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

水谷修『あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論』

おはようございます、ゆまコロです。

 

水谷修『あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論』を読みました。

 

これまであまり考えたことのなかった視点から、子どもの行動を考察しているのが新鮮でした。

 

例えば、自らが考える力について、水谷修さんによれば、

 

 

子どもたちに考える力がなくなってしまったのは、私には当然のことに思えます。

 

 

これは、60年安保闘争、大学紛争、70年安保闘争の時代を経て、指示型の子育て・教育へ移行したことが原因の一つなのだそうです。

 

考えられる子どもは、社会に対して闘いを挑む、との思惑から発生し、子どもを操縦する教育へとシフトされました。そして、子どもが17、18歳になると突然、「もう自分で考えなさい」と社会に放たれます。

 

また、水谷さんは子どものリストカットなどの自傷行為をやめさせることはとても危険であると、警鐘を鳴らしています。

 

なぜなら、自傷行為は物質的な繁栄から経済停滞、閉塞状況の人が葛藤をためこみ、叫びを外に出すことができない場合に、自己表現の一つとして発生するため、「なぜ自傷してしまうのか?」という原因の究明なしに、やめさせることは危ないのだそうです。

 

自らSOSを発する子どもたちと直接接してきた著者ならではの、危機感を持ったアプローチが、現場感を持って伝わってきます。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論

あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論