おはようございます、ゆまコロです。
ジョン・クリストファー、中原尚哉(訳)『トリポッド④凱歌』を読みました。
トリポッドの都市からデータを持ち帰った主人公・ウィルたちは、いよいよ侵略者たちと対決します。
「人間はもうおたがいに戦ったりしてないよ。共通の敵と戦ってるじゃないか。ビーンポールのようなフランス人も、フリッツのようなドイツ人も、きみの友人のウォルトのようなアメリカ人も」
「いまは、いっしょに戦ってるな。でもこのあとは?主人たちを倒したら、そのあとはどうなる?」
「もちろん団結が続くだろう。教訓を得たんだから」
「本気でそう思うか?」
「思うよ!人間がまたおたがいに戦争をはじめるなんて、そんなこと考えられないね」
戦争や紛争が終わった後、その渦中にいた人は、これからまた同じようなことが起こると考えるのか、それとも同じことは繰り返さないと考えるのか、どちらなのか興味があります。
でもぼくはちがった。ぼくが思い描くのは、自分が生まれ育ったような世界だ。村と小さな町だけの世界。平和で秩序のある生活。穏やかで、急ぐことなく、季節の流れにあわせた暮らし。
トゥールルージュ城に滞在したときのこともよく思い出した。
両親のところにウィルが戻れたのも良かったです。
主人公たちが人類のための世界を模索しだすラストに、心底安堵しました。
トリポッドのシリーズもこれで最終巻です。読んでよかったと思える結末でした。
最後まで読んで下さってありがとうございました。