ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

プラープダー・ユン『地球で最後のふたり』

おはようございます、ゆまコロです。

 

プラープダー・ユン、吉岡憲彦(訳)『地球で最後のふたり』を読みました。

 

バンコク出身の作者はタイ王国で兵役に就いた後、小説を書くようになったそうです。

本書は同じタイトルの映画の脚本です。

 

バンコク日本文化センターで働く主人公・ケンジ(日本人)と、タイ人ノイのラブストーリーです。

 

2人の会話の中で、好きな場面はこちらです。

 

 

ケンジはノイのほうを向いて訊ねた。

「ユー・サッド?(寂しい?)」

空はすがすがしく晴れ渡っている。

「エブリバディ・サッド・サムタイム(誰でも時には寂しいもの)」

 

 

 

やくざ達とノイの彼氏がすれ違って、うまくピンチを切り抜ける場面も好きです。

タイってこんなに麻薬が出回っている国なの?と思って怖くなりますが。

 

ケンジには、自殺願望があるのですが、どうして彼がそこまで死にたいのか、読者には最初から最後まで分からずじまいです。

 

なので、物語の終盤になって、ケンジが積極的に生きようという姿勢が見られると、良かった~という気持ちになります。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

地球で最後のふたり

地球で最後のふたり