ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

グレイス・ペイリー『最後の瞬間のすごく大きな変化』

おはようございます、ゆまコロです。

 

グレイス・ペイリー村上春樹(訳)『最後の瞬間のすごく大きな変化』を読みました。

 

E.ホッパーの表紙と、村上春樹さんの訳に惹かれて手に取りました。

なのですが、内容は難しく、よく分からないまま終わってしまった印象です。

 

フェイスという人物が主人公の話がいくつかあり、作者がモデルになっているようなのですが、このシリーズが特に難解です。

科白が誰の言葉で、誰のことを指しているのかも時々分からずに混乱してしまいます。

 

この中で好きなのは、18年間図書館の本を借りっぱなしにしていた女性の話「必要な物」です。

 

 

別れた夫と道で会った。私は新しくできた図書館の階段に座っていた。

 

 ごきげんよう、我が人生、と私は声をかけた。

(「必要な物」)

 

 

この後、元夫には嫌がられますが、あっけらかんとしている様子がなんかいいです。

村上春樹さんが好みそうなノリなのかもしれません。

 

表題にもなっている「最後の瞬間のすごく大きな変化」も、割と好きです。

作者について、村上春樹さんは「女性ファンの多い作家」と書いていますが、なかなか読む人を選びそうだと思いました。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

最後の瞬間のすごく大きな変化 (文春文庫)