おはようございます、ゆまコロです。
クイーン戦の最終準備と、前夜祭、そして決定戦の朝までのお話です。
この巻も衝撃的なことが多く、まだ頭の中でまとまっていませんが、取り急ぎ感想を書きます。
- 表紙のカラーについて。
かなちゃんと千早ちゃんの背景の、緑のような青のような色がすごく好きです。
冒頭の、かなちゃんからコートを借りるやりとりと、ファンの撮影から千早ちゃんを守るかなちゃんを見て、裏表紙折り返しの末次先生のコメントを読み、改めて表紙を見ると、二人の仲の良さがよく分かってぐっときます。
かなちゃんの作った十二単のお話が、会場で緊張していた千早ちゃんが新を見つけてホッとする場面の伏線になっているのが良いなあと思いました。
- 詩暢ちゃんのお母さんが気になる。(p28)
「私が若宮さんの
最高の強さを引き出して
そのうえで勝ちますから」(千早。TVのインタビューに答えている)
「なんなんや
この子…
この口のきき方‼
どうやったら詩暢相手に何度も勝つとか言えるんや」(詩暢・母)
「千早がまたなんか言うとりました?
ははっ
いさましいなぁ。
言葉は大事にせんと。
言った瞬間
わかるのは
それがないことや。
勝つ勝つ言うんは
負ける人や」(詩暢)
このセリフを聞いた詩暢ちゃんのお母さんの表情が、ワンテンポ置いて、暗く表現されているのが引っかかりました。
詩暢ちゃんがここで言った、「声に出して言った瞬間に、それが現実には “無い” ことであると分かる」というのは、理解できます。自分としてはそうなることを望んでいて口にしているのに、それは手に入らないことは既に分かっているというような感じ。(成就しない恋愛感情とか、実現不可能な解決策とか。)
詩暢ちゃんが真意ではないことを口にしていることはよくある光景なのですが、自分が18歳のときに、ここまで “自分が口にする言葉の大切さ” を分かっていただろうか?と考えると、とてもそうは思えませんでした。
この後、詩暢ちゃんのお母さんがおばあちゃんに申し出たことはなんだったのかも、ものすごく気になります。
⚪︎ 千早ちゃんのあいさつ。(p64)
ルールを変えて貰ったことへの謝辞から始めたりと、この謙虚さ、堂々とした感じが偉いなあと思いました。読んでいて、千早ちゃんのお母さんと一緒に震えました。
新年1/5がクイーン戦なんですね。受験生には辛いなあ…。いつも勉強してて、もちろんかるたの練習もして、TVの取材まで受けるという。そんなに頑張っているというのに、まさかの展開です。
⚪︎ お姉ちゃんとの荷物取り替え劇。
千歳ちゃん、自分も仕事なのに唐津から夜行バスで来てくれるの、優しいなあと思って胸打たれました。(p96)
前の巻から、仲直り出来たのか気になっていましたが、姉妹喧嘩はこのエピソードの前振りだったんですね。
⚪︎ 山城さんへ周防さんがカクテルをご馳走するシーン。
こんなに頭が良くて、人が羨むほどの才能があるのに、かるたへの興味は無さそうな周防名人。彼は大学卒業後はどうするのか、非常に気になるところではあります。
前の巻からも思っていましたが、詩暢ちゃんが動画を上げることを快く思わない人がいたり、かるたのルール上の男女差を無くしたりと、登場人物たちがいっぱいいっぱいな中で、作者が伝えたいことがワッと詰まってきたように感じました。
でも世の中の困り事はこうやって、当事者たちが主体的に考えて、行動して、模索していくしかないんだと改めて思わされます。(現実的には流されて、気がつけば不本意な状況になっているのだとしても。)
肉まん君の血糖値のお話も好きです。
千早ちゃんの頑張りが報われますように。
最後まで読んで下さってありがとうございました。