おはようございます、ゆまコロです。
重松清『トワイライト』を読みました。
以前読んだ『疾走』が恐ろしかったので、あの時ほど酷い展開にはならないだろう、と何となく思いつつ読んでいて、スイカ割りの場面で一気に現実に戻されました。
作者が重松清であったことを急に思い出したような感じです。
でも、ラスト近くの、物語の好転のさせ方はさすがと思いました。
おとなを見透かしている。おとなの弱さやずるさをすべて見抜いて、そういうものだと受け容れて、なにも期待していない ――もしかしたら、まだ子どもの自分自身に対してさえ。
作者の子どもへの視点がリアルだとよく思います。
それともう一つ、頷けるセリフがこちらです。
「これからどんどん年取って、仕事でも子どもでも親の老後でも、面倒くさいことや思いどおりにならないことがどんどん増えてきて…死ぬよりましだって、おまえは言うかもしれないけど…そういうんじゃなくて、未来があるっていうのも、けっこうキツいんだよな」
キツさを共感しつつも、読後は何となくスッキリする、不思議な重松清ワールドだと思いました。
最後まで読んで下さってありがとうございました。