おはようございます、ゆまコロです。
ポール・オースター、畔柳和代(訳)『ルル・オン・ザ・ブリッジ』を読みました。
戯曲なのですが、やはりオースターはオースター、という感じです。
イジーの前妻・ハンナが魅力的です。
「私が誰かを愛したら、それは一生ものなのよ。またあなたと一緒に暮らそうと思っているわけではないけれど、だからって、あなたのこと好きじゃないわけじゃないわ。
(間)
いまでもあなたは私の一部なのよ。わからず屋さん。」
好きなセリフです。
また、この映画の美術担当の方のインタビューもいいなと思いました。
概して私は、知的な刺激を受ける仕事を選ぶ傾向にあります。商業的にうまくいくかどうかはまったく気にしません。私にわかっているのは、人間は矛盾だらけだということ― それが人間の一番面白いところです。そうした一種の三次元的な考え方を、ポールはとてもうまく捉える人だと思います。(カリーナ・イヴァノフ)
なんだかにやにやしてしまったところです。
オースター作品の魅力について、この方と一緒にお話をしてみたいと思ってしまいました。
解説も良かったです。
イジーが救急車に乗っていることなど、彼女(シリア)は知る由もない。にもかかわらず彼女の表情はすべてを知っており、他人事ではない気がして心動かされている。小説でも同様だが、「幻想的なものほどリアルに描く」ことを心情とするオースターの思想がこの映画でも見事に結実している。
まだ映画は観ていませんが、文章で読んだ時とどう印象が変わるのか、楽しみです。
最後まで読んで下さってありがとうございました。