ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

角野栄子『魔女の宅急便その5 魔法のとまり木』

おはようございます、ゆまコロです。

 

角野栄子魔女の宅急便その5 魔法のとまり木』を読みました。

 

19歳になったキキのお話です。

プロローグでの彼女の成長ぶりに、結構胸が熱くなります。

(しかし、遠くの町にいるとんぼさんとはすれ違っています。)

 

コリコの街に来て6年目のキキを、また空を飛べなくなるというスランプが襲いますが、ジジとうまくいかなくなることの方が辛かったです。

 

この巻でいいなと思った言葉は、サヤオさんのセリフです。

 

 

「子どもって夕方よく泣くんだよね。あの空はおわりと始まりの色。悲しみと、ときめきがいっしょになってる色なんだ。今はぼく、そう感じるんだ。この気持ち、いままでどう表現していいかわからなかったけど、キキがケープを着ているとこを見たらわかったような気がする。子どものころ、うれしいのなかには、悲しいもある。生きていくにはそこを何度も通り抜けなければならないって、どこかで感じていたんじゃないかな。子どもにはその両方が見えているのかもしれないね。」

 

 

このセリフも良いです。

 

 

「あの目は自分の生まれた世界を信頼している目だよ。でもね、そのなかにちょびっと不安も入っている…ような気がする。赤ちゃんって文句なくかわいいけどね、でもそれだけじゃない。もう知っているんだよ。生きるのはよろこびだけど、そのなかには哀しみもあるって。でもその哀しみのなかにも、よろこびがあるんだよね。」

 

 

まだ物語は続くんだな、と思って喜んだ巻でもあります。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

魔女の宅急便 その5 (福音館創作童話シリーズ)

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