ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

角野栄子『ファンタジーが生まれるとき 「魔女の宅急便」とわたし』

おはようございます、ゆまコロです。

 

角野栄子『ファンタジーが生まれるとき 「魔女の宅急便」とわたし』を読みました。

 

角野栄子さんはとても好きな作家さんです。

この本からは、彼女の創作に対する姿勢や、日本語を大切にしている様子が伝わってきます。

 

スランプに陥ったときの、角野先生の思考の切り替えがいいなと思いました。

 

ワクワクするような時間を持ちたい、そう思ってずっと一人で書いてきたのだった。それがたくさんの人に読んでもらえる幸せを得たとたん、ぐじぐじ心配になってしまった。人ってやっかいなものだ。欲張りすぎてる。もう一度、自分のために楽しんで書こう。自分が楽しくなければ、読む人だって楽しくないに違いない。そう思えたとき、私はまた書くのが楽しくなっていった。やがて書かないではいられなくなった。どう思われるかは気にならなくなった。 

 

角野先生は24歳の時に自費移民としてブラジルに渡っています。大変なことがいろいろあったろうな、と思われる時も、ポジティブな考え方がすごいです。

 

行動力があることが、かならずしも現実的に考えるしっかりとした心をもっていることとは限らない。でも考えすぎると、できることもできなくなってしまうことだってある。不安だらけだったけど、不安はとってもあこがれに近い。 

 

もう一つ、好きな文章がこちらです。角野先生の本への愛が伝わってきます。

 

本にも扉というページがある。表紙を開いて、もう一つ開く。するとそこに少しこぶりのタイトル文字がまたあらわれる。そこが扉という名のページで、さあ、あけて物語の世界へいらっしゃいと呼んでいる。ここらあたりが世界が変わる境目なのだ。わくわくしてくる。このページを扉という名前で呼ぶのが、とても素敵だ。 

 

まだ他にも、読んでみたい角野作品があります。手に取るのが楽しみです。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。