おはようございます、ゆまコロです。
シャーロット・ブロンテ、上田健次郎(訳)『ジェイン=エア』を読みました。
イギリスの小説家・ブロンテ姉妹の長姉の作品です。
(彼女は三女ですが、長女・次女は11歳と10歳で亡くなっています。)
孤児だったジェインが、家庭教師として住み込んだ家の主人と結ばれるまでを描いたお話です。
ジェインの、自分の気持にまっすぐな様子には読んでいるこちらも心強くなってきます。
「わたしがあなたにとってなんの意味もない人間になっても、わたしがここにいられるとあなたはお思いになるのですか?わたしも、あなたと同じように、心も感情も持っています。わたしは、身分とか財産とか、そんな世間的な差別のうえに立ってお話しているのではありません。わたしの魂が、じかに、あなたの魂に話しかけているのです。あなたは尊敬もしない、愛してもいない人と、結婚しようとしていらっしゃる。」
「世間的な差別」を、書いていたシャーロット自身も嫌っていたのかな、と思わせるセリフです。
それだけに、正直者で健気なジェインが、好きになった主人に奥さんがいたと知って打ちのめされるシーンがかわいそうでした。
弁護士とメースンさんが立ち去ったあと、わたしはじぶんのへやに入り、かぎをかけてから、結婚衣装をぬぎすて、もう二度と着ることはあるまいと思っていた、じみな普段着に着替えた。わたしは、泣きも悲しみもしなかった。ただおもいつかれが、からだと心いっぱいによどんでいた。
前妻の存在が分かったのは結婚式の当日です。
つらい…。ジェインを応援したくなってきます。
ちなみに、シャーロット自身が家庭教師をしていた時にあるマナーハウスを訪れ、そこの当主から聞いた「18世紀にこの屋敷で正気を失った妻を閉じ込めていたことがあった」という昔話が、ソーンフィールド邸(ジェインが家庭教師に入ったお家)とロチェスター夫人のモデルになっているそうです。(ウィキペディアより)
この夫婦の設定はフィクションではなかったのか…。本を読んでから知り、ちょっと怖くなりました。
イギリスを離れるのはつらい。しかし、ロチェスターさんのいない国は、わたしにはからっぽな国土にすぎない。よしんば、ロチェスターさんがイギリスにいたとしても、もう一度あの人といっしょになれるかもしれないなどという、できもしないことをたのみに生きていくなんて、そんなばかげた、いくじのないことがあるだろうか。
1847年に書かれた本ですが、男性の著者名で発表されたことや、当時は女性から男性に告白したりすることは稀だったりしたことを考えると、センセーショナルな内容であったのだろうな、ということがうかがえます。
自由に恋愛したい、というジェインの気持ちが強く伝わってきて、感情移入しやすい本でした。
最後まで読んで下さってありがとうございました。