おはようございます、ゆまコロです。
『ふりまわされない!更年期』が面白かったので、もう一冊更年期障害に関する本を読んでみました。
高尾美穂さんの『いちばん親切な更年期の教科書』です。
睡眠力を高めて肥満を撃退!やせやすい体質になる
眠らない女は太る!
睡眠不足はダイエットの大敵です。睡眠不足の人ほどウエストが太いというデータもあるほどです。
その原因は、「レプチン」と「グレリン」という2つのホルモンにあります。レプチンは脂肪細胞から作られ、食欲を抑える働きをします。睡眠時間が短くなると血中のレプチンの濃度が低くなり、食欲を増進させます。データでは、8時間以上の睡眠でレプチンの濃度が上がり、食欲を抑制する効果が確認できました。
一方、グレリンとは胃の粘膜から作られる食欲を増進させるホルモンで、 睡眠時間が短くなると血中濃度が高くなり、食欲を増進させます。 データでは、睡眠時間が7時間を切るとグレリンの濃度が上がり、食欲を増進させることが確認できました。
睡眠時間を確保し、睡眠不足を改善することで、太りにくくやせやすい体質が手に入ります。
(p104)
「睡眠時間が7時間を切ると食欲がアップ」ですって。
残業が続いて睡眠不足だった時、3度の食事も間食もなんだかいつもより多くの量を食べているような気がしていましたが、気のせいじゃなかったのですね。
睡眠時間が短くなると食欲増進のホルモン濃度が上がるなんて、そんな機能が必要なのか疑問ですが。本人が知っていようがいまいが、ホルモンに振り回されていることって結構あるんだなとつくづく思います。
これからは夜ふかししてマンガ読んでる場合じゃないですね。
HTRとは、足りなくなった女性ホルモンを安全にチャージする「攻めの治療法」
ホットフラッシュなら約2カ月で9割程度改善!
ホルモン補充療法(HRT)は、閉経によって減少した女性ホルモン(エストロゲン)を補う治療法。ホルモン剤を使うというと、抵抗感のある人も多いかもしれません。
しかし、実際に補充するエストロゲンは、更年期以降の健康維持に必要とされるわずかな量。月経が順調にきている年代に体が作っていた量の3分の1ほどにすぎません。また、低用量ピル(→P.172) と比較してもかなり少量です。 最小限のエストロゲンを補うことで、更年期以降の急激な減少のカーブをゆるやかにし、症状を緩和します。
一般的に、のぼせ、ほてり、異常発汗、動悸など、エストロゲンの減少がダイレクトに影響を及ぼす症状なら、 HRTを2ヵ月程度継続すると、約9割程度改善するといわれています。それほど即効性が見込める治療法なのです。
更年期症状が気になりはじめたら、HRTを視野に入れてみましょう。
(p142)
ホルモン剤というと、日常生活に支障が出そうなイメージがありましたが、更年期症状の改善に使われるものは低用量ピルよりも少量、ということを初めて知りました。
エストロゲンの中断期間をHRTで短縮させる
開始のベストタイミングは閉経前後
HRTをはじめるベストタイミングは、ズバリ、閉経前か閉経後早期です。
エストロゲンが急減するこの時期は、不調を強く感じやすく、またHRTの治療効果が得られやすいからです。
さらに、早期にはじめるメリットとしては、動脈硬化の予防があげられます。
エストロゲンには動脈硬化を防ぐ働きがあり、閉経してエストロゲンが減少すると、動脈硬化が起こりやすくなることは前述のとおりです。
閉経前や閉経後、すぐにHRTを開始し、エストロゲン量の維持が中断される期間を短縮させることで、動脈硬化を予防し、血管を柔軟に保ち、骨粗しょう症を防ぐこともできます。皮膚の萎縮を防いで美肌を保つなど、アンチエイジング効果も期待できます。
一般的には、閉経後5年以内にHRTをはじめることが推奨されています。まだ閉経していなくても、月経周期が不規則になってきていて、さらに更年期症状があり、FSH (卵胞刺激ホルモン) の値が上昇していたら、治療のためにHRTを開始しても問題はありません。更年期のエストロゲンの濃度はアップダウンするため、エストロゲンが減少していなくてもFSHの値が上昇していれば、HRTをスタートします。
ただし、少ないながらもまだ自前のエストロゲンが卵巣から分泌されているため、HRTによって追加されたエストロゲンとの相互作用で思わぬ出血が起こりやすくなることがあります。
一方、閉経後、10年以上経過してからはじめるリスクとして、海外での研究報告があります。60歳以上、または閉経後10年以上経過してHRTを開始すると、狭心症や心筋梗塞などのリスクがふえるおそれがあると指摘されているのです。
ただし、事前の検査で動脈硬化や血栓症のリスクが低かった場合は、閉経後10年以上経過していても医師の判断に基づいてHRTをはじめられることがあります。
HRTは年齢、症状、月経の有無、閉経後の年数、子宮の有無、ライフスタイルなど、その人の状態に応じた投与方法を選べます。医師と相談しながら最適な方法を見つけてください。(p166)
エストロゲンが急減した時、体にどんな変化が訪れるのかまだ不明ですが、初動が大事だということは分かりました。
閉経後5年以内というのは覚えておきたいと思います。
更年期治療には低用量ピルを使わないのが原則
50歳以降はHRT に切り替えよう
低用量ピル(=低用量経口避妊薬/OC: Oral Contraceptives) は、排卵を抑制し、子宮内膜を着床しにくい状態にして、避妊効果を促す避妊薬です。婦人科では、月経不順や月経困難症などの月経トラブル、PMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害)などに対し、低用量ピルと同じ成分の薬剤LEP (低用量エストロゲン・プロゲステロン配合剤)が治療に使われ、低用量ピルとは区別されます。
低用量ピルはエストロゲンとプロゲステロンを含み、月経のある女性に使われます。
低用量とはいえ、それは避妊薬の中でのレベルで、OCで補うエストロゲン量は、HRTの標準量の約5~6倍 (50㎏)にもなり、40歳以上にとっては多過ぎます。また、40歳以降の人が内服を開始することは血栓症のリスクが高いためおすすめできず、更年期障害の治療としては一般的には使われません。
さらに、OCとHRTでは、エストロゲンとプロゲステロンの比率が異なります。
OCはプロゲステロンが中心ですが、HRTはエストロゲンが中心です。そのため更年期症状の治療には、ピルをのむよりもHRTを受けたほうが効果的です。
またOCは、HRTよりも6倍以上もホルモン活性が高く、年齢が上がるにつれて血栓症が起こるリスクが高くなります。そのため、更年期に差しかかった45歳から50歳くらいでHRTに切り替えることが推奨されています。
血栓症のリスクが低いと判断できる方は50歳まで、もしくは閉経まで使い続けることが可能です。
なお、OCを使っている人は薬によって月経をコントロールしているため、閉経時期がはっきりしません。 40代後半になったら休薬期間に血液検査を受け、自分のホルモン値を確認するとよいでしょう。
検査の結果、卵巣の働きが低下している数値であれば、HRTに切り替えることを医師と相談してください。
(p173)
どちらもホルモン剤なのに、ピルとHRTはどう違うのだろう、と疑問に思っていたのですが、この項目を読んで少し分かりました。
また、以前私がPMSで婦人科に行った際に処方してもらっていたのは、LEPだったことが分かりました。その時は生理痛の軽減を感じられなく、効かないよーと思いながら飲んでいましたが、今になって思えば、エストロゲンの量が異なる種類か、OC(低用量ピル)に変えてもらえないか相談すれば良かったのかもしれない。
今の時代ネットで調べれば分かることなのかもしれないけど、どの章も具体的で丁寧に解説されているので、思わぬところで疑問が解決されたり、不安が軽くなることもあって、手に取って良かったなと思いました。
まえがきにもありますが、「女性の病気についてもっと情報が行き渡っていれば」という高尾先生の意思がしっかり伝わってきます。
婦人科系の内容は、早めに知っておいて損はないと思います。
まだ早いかな、という方にもおすすめしたいです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。