ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

自己制御のための睡眠。『スゴい早起き』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。

塚本亮さんの『頭が冴える!毎日が充実する!スゴい早起き』を読みました。

 

毎日寒いですね。

こんな季節に「早起き」なんて言葉、聞きたくないと思います。

しかし先日、在宅勤務なのを良いことにギリギリまで寝ていて、始業時間ギリギリにPCを立ち上げたら即再起動がかかってしまい、挙げ句小一時間起動してくれなくて、朝から冷や汗をかいてしまいました。

 

 小学生時代から、塾を転々とするものの成績が上がらず、親をがっかりさせていたからです。当時の私は、「どうせ、何をやっても無駄だろう」「うまくいくはずがない」という気持ちでいっぱいでした。

 

 これを心理学では「学習性無力感」というのですが、これが無気力状態を招きます。私がその典型で、勉強する意欲もわかず、毎日、フラストレーションを募らせていたのです。
 人は「自分をコントロールできている」という感覚を失うと自信を失ってしまいます。自信を持つには、「自分をコントロールできている」と思える体験を積む必要があります。

 

 早起きすることは、この感覚を養うのに最適です。朝早く起きるために、寝る時間を調節したり余暇時間を見直したりするなど、自分で意図して時間を管理するようになるからです。 やることに追われ、流されがちだった状況が一変するのです。

 

 時間を管理し、「1日をコントロールできている」という感覚をもてるようになると、「自分をコントロールできている」という感覚がよみがえります。この積み重ねが自信を育んでくれるのです。
 自信ゼロどころか、マイナス状態だった私は、朝5時という自分が決めた時間に起きることで、「何をやってもうまくいかない」と自分を否定する気持ちから、 「やればできる」という気持ちに切り替わり、 それが積極的に勉強する態度につながりました。

 

 万年落ちこぼれで、偏差値30という低いセルフイメージのままでは、些細なことで挫折して、勉強するのをやめてしまったかもしれません。
 でも、「やればできる」という経験を積み上げていくことで、「頑張れば、合格できるかもしれない」という希望が芽生え、走り抜くことができました。 自信の持つ力は計り知れないものがあります。 早起きにチャレンジすれば、その効果をすぐに体感することができるのです。

(p30)

 

「自信を持つには、「自分をコントロールできている」と思える体験を積む必要があり」、早起きしたり余暇時間を調節して時間を作ることができれば、自信に結びつくというのは、分かる気がします。ただ、そうは言っても強い意志が必要なんですよねぇ。自分の将来に直結する受験生ですら大変なのに、今の自分に果たして出来るのでしょうか。

 

 「睡眠ノート」を書く――「明日やること」を書く効果とは?


 寝ようと思っても寝つけないときは誰にでもあります。 体は疲れているのに脳が睡眠モードに入らないのです。そんなときは、大抵が考えごとをしているときです。
 私たちの頭の中には様々な事柄がぐるぐると回っています。このため、ふとした瞬間に意識の中に舞い戻ってきて、睡眠の妨げとなることがあるのです。

 

 これを防ぐために効果的なのが、寝る前に頭の中にあるものを全て取り出す作業です。
 書き方のコツはいろいろあるのですが、 睡眠前に書くことは共通しているので、私はこれを 「睡眠ノートを書く」作業と位置づけ、受講生の方々にお勧めしています。
 具体的には、就寝前の5分間 「明日やることを書く」と良いのです。

(中略)

 早起き生活を上手に回す上で重要なのが「睡眠時間の確保」です。
 睡眠時間は意識して確保しておかないと、どんどん減っていってしまいます。
 そこで、私は睡眠時間も手帳に書き込むようにしています。
 毎日、何時に寝て、何時に起きるのか、こんなシンプルな予定でいいのです。できるだけ、この時間帯は固定化したほうがいいですね。体が自然と寝る時間を覚えれば、スッと眠れるようになり、良い睡眠リズムを得やすくなるからです。
 最高のパフォーマンスを引き出すために質の良い睡眠は不可欠です。なし崩し的に時間を浪費しないためにも、手帳に書き込むメリットは大きいのです。

 手帳は他人との約束を書いておくのが一般的です。 でも、睡眠時間のようなプライベートな時間も書き込むことで、自分の時間をちゃんと確保できるようになるので、ぜひお勧めしたいのです。
 私は大学受験時代から、ウィークリー手帳のバーチカルタイプでスケジュールを管理しており、ケンブリッジを受験するときも活用しました。
 今でも睡眠時間は、ウィークリー手帳のバーチカルタイプで管理しています。
 マンスリー手帳だと、どんな予定があるのかしか把握できず、細かな時間の使い方に意識が向きにくいのですが、 ウィークリー手帳だと、一週間の時間の流れを見開きですぐに確認できるので、時間管理を徹底できるのです。
 良い睡眠は身体的、精神的、感情的な回復を促してくれます。エネルギーいっぱいの状態で朝を迎えられるようになる最高の自己投資ともいえるのです。(p70)

 

「明日やることを寝る前に書くこと」は、なかなかいいと思いました。休日になったらやろうと思っていたのに、いざ週末になるとすっかり忘れてて、明日は仕事かあとぼんやり考えている夜に急にやりたかったことを思い出すことがあります。

自分の時間管理のできていなさに驚きます。

何時に寝て、何時に起きる、というこの記録も、睡眠時間の確保に効果がありそうな気がします。

 

 脳のスイッチをオンにしよう――こんな働きかけで、交感神経に切り替わる


 朝の脳の生産性が高いといっても、起きた直後は覚醒しておらず、しばらくぼんやりとしています。副交感神経が優位になっているからです。 適切な方法で交感神経に切り替わるよう働きかけてみましょう。 すぐにできて効果的なのは次の3つの方法です。


①日光を浴びる
 私が朝起きて最初にすることは全ての部屋のカーテンを全開にして日光が差し込んでくる環境をつくることです。たとえ雨が降っていても窓を開けて空気の入れ替えをします。窓を開ければ日が入って、日光を浴びることができるからです。
 朝日は脳をスッキリと覚醒させてくれるうえに、良質な睡眠をもたらすセロトニンの分泌をも促してくれます。
 ぜひ、朝起きたらカーテンと窓を開けてみましょう。


②シャワーを浴びる
 お勧めなのが日光を浴びた後に、シャワーを浴びること。これも、私が長年続けているルーティンの一つです。
 シャワーを浴びると、副交感神経から交感神経への切り替えがスムーズに行われるので、心身共にスッキリします。
なお、シャワーを浴びる目的はあくまでも脳を覚醒させることです。長い時間、熱いシャワーを浴びていると、体がリラックスモードに入ってしまうので注意しましょう。 少しぬるいかなと感じるくらいの温度のシャワーをサッと浴びることをお勧めします。

 

③香りをかいだり、好きなものを飲む
 先述していますが、起床後、私は大好きな紅茶を飲むようにしています。
 紅茶やコーヒーなどの香りの強いものは鼻腔を通って脳に刺激を与えてくれるのでスイッチが入りやすいのです。
 脳を覚醒させるためにも、良い香りをかいだり、好きなものを飲む習慣をもってみましょう。
 あなたにとって、脳のスイッチがオンになるものは何ですか。 ぜひ、ワクワクするものを探してみてください。
(p121)

 

朝、顔を洗うためにかがむと腰が痛いからという理由でしばらくシャワーを浴びていましたが、寒くなってからはすっかり封印していました。暖かくなったら再開しよう。

カーテンと窓も、一時は目が覚めてすぐにあけていたのに、こちらも寒くて疎かになっていました。

唯一③の「香りをかいだり、好きなものを飲む」は、まだ試したことがありません。

最近は紅茶、コーヒーを飲んでいないので、代替になる嗜好品がなにかあるか、難しいのですが、「楽しみになる朝食を用意する」みたいな感じで代用できないか、やってみたいと思います。

 

 有酸素運動をする――適度な運動が、健康を保つ秘けつになる


 体調管理の一貫として、適度なジョギングをするなど、ちょっとした有酸素運動を生活に取り入れてみましょう。とはいえ毎日時間をかけてしっかり取り組もうとするとプレッシャーになりますね。あくまでも“適度に”が良いのです。日頃から、ちょっとした時間を見つけて有酸素運動をしてみましょう。
 運動の大切さは周知の事実ですが、実は何をどの程度すれば健康になるのかということは、まだ解明されていません。
 最新の研究結果から、「これだけ運動すれば健康的に過ごせるだろう」と自分で思えるぐらいの運動をすることが、健康を保つ上で一役買っているのではないか、ということがわかってきました。
 次に紹介するのは二〇一七年、スタンフォード大学の研究です。オクタウィア・ツァールト博士とアリア・クラム助教が6万人以上の大人を対象に「同年代と比べてアクティブだと思うか、そうでないと思うか」を尋ね、その後も観察を続けたところ、「同年代と比べてアクティブではない」と答えた人は74%より高い確率で、アクティブだと思っている人よりも先に亡くなってしまったのです。
 「運動しているから自分は健康だ」と思っている人はそうでない人よりも長生きできる、ということですね。
 心理学では「プラシーボ効果」が有名ですが、医者が効果のないものを「病気によく効く薬ですよ」と言って患者に飲ませると、実際に症状が和らいだり、治ったりすることを指すのですが、この実験結果も思い込みの持つ効果の大きさを示しています。


 運動は記憶の定着にも一役買っている!

 

 運動がもたらす効果は長生きだけにとどまりません。
 ジョギングやウォーキング、 サイクリングのように、比較的、負荷がかからない有酸素運動は脳を活性化することにもつながります。
「忙しいので運動する時間がとれません」という声をよく耳にするのですが、効率が落ちている脳をムチ打つよりは、有酸素運動をしたほうが、脳の効率が改善して、より仕事や勉強もはかどるようになります。
 有酸素運動をすることで脳が活性化し、記憶の定着にも効果があることがわかっています。
 ずっと机に向かっているよりも、運動したほうが記憶の定着率が高くなるのです。
これはラドバウド大学の実験で明らかになりました。実験に参加した人たちに40分間で30枚の絵を記憶してもらいました。その直後に35分間、自転車を漕いでもらったグループ、4時間後に自転車を漕いだグループ、何も運動をしなかったグループに分けました。そして2日後、それぞれのグループの参加者たちがどれだけ絵を記憶しているかをテストしたのです。その様子をMRIで観察したら4時間後に運動をしたグループの記憶力はそのほかのグループよりも優れていたのです。
 記憶が脳に定着するときにはドーパミンノルアドレナリンなどが分泌される必要がありますが、運動によってその分泌を促すことができるのです。面白いことに、学習後すぐに運動をした人には記憶の向上は見られなかったのですが、4時間後に有酸素運動をすると、学んだことが記憶に定着しやすいということもわかったのです。学習してから4時間後に運動をするこのは難しくても、少し時間を空けてから運動することを習慣づけると、頭の中の整理を促すことができて学習効率も高くなるのです。
 そうはいっても「忙しいよ」という方は、帰りの電車を1駅手前で降りてみるのはいかがですか。特に頭を整理したいときは歩いてみましょう。 有酸素運動は脳のリフレッシュと、脳内の整理にも大きく貢献してくれるのです。
(p164)

 

・最初のスタンフォード大学の研究が面白いと思いました。

「「運動しているから自分は健康だ」と思っている人はそうでない人よりも長生きできる」って、自己判断で良しとしている人が、実際長生きだというのがいいですね。

・暗記した4時間後に運動をすると定着しやすい、というのも不思議な感じがしました。なにか覚えたいことがあったらやってみよう。

 

 手帳に自分との約束を書く――自分の時間を増やすために

 

 突然ですが、あなたのスケジュール帳を見てください。あなたは自分のために作り出した時間はどれくらいありますか。
 この本のテーマは早起きですが、早起きをする究極の目的は、上手に時間をコントロールして、自分がやりたいことを存分にして、人生を楽しむことでした。
 充実した日々を過ごすために必要なのは、時間の使い方を変えること。自分以外の誰かによって決められたスケジュールで活動する時間を減らして、自分で決めたスケジュールで活動する時間の割合を増やすことが大事なのです。そもそも私たちが自由に使える時間は1年でざっと数えると2920時間しかありません。
 内訳は次の通りです。 1年間を時間にすると8760時間。 ざっくり、1日8時間睡眠したとすると、活動に使えるのは5840時間。 さらに学生や社会人ならば、学校や仕事にその半分の時間を使うため、残りは2920時間しかないのです。

 

 1年間のうちで自分のために使える時間は、最大でも全時間の3分の1程度しかないという計算になります。見方を変えると、人生の3分の1程度しか、自分のやりたいことのために自由に生きることはできないのです。
 睡眠時間を8時間として計算すると、残りの16時間を誰のために使うのか、その主導権は誰が握っていますか。 睡眠以外の自分の時間の50%以上が、誰かによって決められた予定や都合で消費されていては、人生の主導権を握ることはできません。
 まずは自分でコントロールできない時間と、自分主導で使える時間がどれだけあるのかを把握しましょう。 睡眠を削るのは本末転倒なので、残業を減らす工夫をするなど、コントロールできない時間を増やさないように意識づけてください。


 自分の時間を強制的に確保する

 

 大手企業に勤めるFさんは、私のコンサルティングで1週間のスケジュール整理をしてみたところ唖然としました。想定していたよりもはるかに少ない時間しか、自分の時間を持てていなかったことに気づいたからです。
 ヨーロッパの大学でMBAを取得するという目標を達成するには、残業を減らすことが欠かせません。飲み会も優先度の高いものに一次会のみ参加するなど、明確な基準を設けて、日々の時間の無駄を省き、自分の時間を捻出するよう心掛けたのです。
 早起きすることを最優先事項としたうえで、帰宅後も勉強することにしました。まずは1週間のスケジュールを確認し、自分の時間を強制的に天引きすることで、時間はつくり出せるものだということを実感されたそうです。日々、しっかりと勉強する時間を確保したFさんは、結果的にヨーロッパの名門大学でMBAを取ることができました。
 通常、手帳には仕事や他人との約束を記入しますが、自分との約束を書くことも大事なのです。
 1週間のスケジュールを振り返り、どうすれば自分の時間を増やせるか考えてみましょう。
 そして、自分との約束を果たす時間を確保したら簡単に手放さず、頑固に守り抜いてみましょう。 それが自分の時間をつくり出すための最強の方法です。

(p182)

 

「人生の3分の1程度しか、自分のやりたいことのために自由に生きることはできないのです」

実はこの項目が一番、早起きの動機づけになりました。

いつまでも寝ていたい、寒いから起きたくないと思っていましたが、「上手に時間をコントロールして、自分がやりたいことを存分にして、人生を楽しむこと」という目的からは、対局のところにいたな、と思いました。

漫然と夜ふかししたり、休日はひたすら睡眠負債の返上に使っていたりといった生活リズムから、自ずと早起きが苦手になっていましたが、改めて、勿体ない時間の使いかたと思わされました。

 

自分の時間を捻出するために、睡眠時間の見える化から始めたいと思います。

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。