おはようございます、ゆまコロです。
ジョーン・G・ロビンソン、越前敏弥&ないとうふみこ(訳)『新訳 思い出のマーニー』を読みました。
作者はイギリスの児童文学作家です。
孤児であり、養女として育てられている主人公アンナが、ある時信頼していた義母のことも信じられなくなり、自分と似た少女・マーニーと出会い、仲良くなって、別れを体験します。
途中、(マーニーとの別離後あたりから)なかなかややこしくて、こんがらがってくるのですが、内気なアンナが自分のことを客観的に見られるようになってから面白くなってくるように思いました。
例えば、アンナが家族のことを振り返るこのシーンなど。
「「話そうとしたのよ。あなたの家族のことを。お母さん、それに、おばあさん。でも、あなたはけっして聞こうとはしなかった。いつだって興味なさそうに、そっぽを向いてしまったわ」
わかってる、とアンナは思った。だって、ふたりが憎かったから。だけど、どうして憎かったんだろう。結局のところ、死んだのはふたりのせいじゃない。突然、アンナはそれまでかかえていた、憎いという気持ちが消えてなくなっていることに気がついた。いつしか自分でも知らないうちに、ふたりをすっかり許していたのだ。」
時間が経つと、怒りがどこへ行ったか分からなくなっていることって、ありますよね。
それと印象的なのが、この言葉です。
「「つまり、マーニーは子どものころに愛されなかったから、自分が母親になったときも子どもを愛せなかったってこと?」ジェーンがきいた。
「まあ、そんなところかしらねえ。不思議なことに、愛されることは、わたしたちの成長を助ける大事な栄養なのよ。だから、ある意味でマーニーは大人になれなかった」」
みんなの中にいても感じる孤独といった描写や、自分の心の持ち方で境遇をどうとらえるか?という感情の描き方が上手だな、と思いました。
まだ、ジブリの映画は見ていないのですが、どういうふうにこの感想が変わるのか、楽しみです。
最後まで読んで下さってありがとうございました。