ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

アンドレ・アシマン『君の名前で僕を呼んで』

こんばんは、ゆまコロです。

アンドレ・アシマン、高岡香(訳)『君の名前で僕を呼んで』を読みました。

 

映画を先に観ましたが、17歳と24歳(どちらも男性)が、くっつきそうでなかなかくっつかない、恋の駆け引きを見ていると、こちらまでモジモジした気持ちになってきます。誰かと観るのは気まずいというか、ちょっと恥ずかしい感じでした。

でも北イタリアの風景はとても素敵でした。

 

主人公が幸せだったときの思い出をとても大事にしているので、自分も本当は違う場所にいながら、ここにいるという夢を見ているような、不思議な感覚になりました。

 

映画は悲しみの最中に終わるのですが、原作では時間がもう少し進むので、主人公は少し大人になっています。なので多少救いがあるというか、穏やかな気持ちになれます。

 

個人的には、主人公とその家族がユダヤ人であるために、受け入れる院生によってはギクシャクしたり、またそのことを、臆せず外に出したりできるようになる描写が興味深かったです。

 

エリオ(主人公)には真っ直ぐな心のまま、深みのある人生を歩んでいってほしいと思いました。

 

読んで下さってありがとうございました。

 

君の名前で僕を呼んで (マグノリアブックス)

君の名前で僕を呼んで (マグノリアブックス)

 

 

鶴見済『0円で生きる 小さくても豊かな経済の作り方』

おはようございます、ゆまコロです。

8月にしては珍しく、涼しい朝です。

 

鶴見済『0円で生きる 小さくても豊かな経済の作り方』を読みました。

 

文の調子は固めで、論文っぽい本だと思いました。

でも面白かったです。

 

「よく「つながりのない社会」などと言われるが、この日本では学校や職場のように、むしろ人間関係が過密すぎてきついことのほうが問題だろう。自分が選んだわけではない人間たちと、閉鎖的な環境に閉じ込められるのだから、きついに決まっている。

  しかし学校や会社をやめてそこから離脱すると、人間関係や居場所がまったくなくなってしまい、今度はそのせいで辛くなってしまうのがこの社会の特徴だ。人づきあいが苦手なひとは多くても、それがまったくないのが好きな人もまたほとんどいないはずだ。」

 

よく分かります。他者と心地良い距離感を保つのは、難しいですね。

たくましくも柔軟に生きたいと思った時に読むと、勇気をもらえるかもしれません。

 

読んで下さってありがとうございました。

 

 

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

 

 

川村元気『世界から猫が消えたなら』

こんばんは、ゆまコロです。

 

川村元気世界から猫が消えたなら』を読みました。

 

いいなと思った文はこれです。

 

「僕が何気なく過ごしてきた時間が、とてつもなく大切なものに思えてくる。僕はあと何回キャベツと一緒に朝を迎えることができるのだろうか。残りの人生、大好きなあの曲を、あと何回聴くことができるのだろうか。あと何回コーヒーが飲めるのか。ごはんは何回、おはよう何回、くしゃみ何回、笑うのはあと何回だ?

  そんなこと考えもしなかった。母さんと会うときだってそうだった。それが分かっていたら、その一回一回をどれだけ大切に考えたことだろう。母さんは、僕がそんなあたりまえのことにも気付かないうちにこの世界から消えてしまった。

  僕が生きてきたこの三十年間、果たして本当に大切なことをやってきたのか。本当に会いたい人に会い、大切な言葉を伝えてきたのか。」

 

これは、肝に命じておかねばですね…。

 

"キャベツ" が表紙の猫だとすると、とてもかわいいと思いました。口調とのギャップがありますが。

 

猫好きにはツボが多い本だと思います。

  

山寺香『誰もボクを見ていない』

こんにちは、ゆまコロです。

残暑が厳しいですね。

 

山寺香『誰もボクを見ていない  なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか』を読みました。

 

2014年3月に、埼玉県川口市で高齢夫婦が殺害された事件のルポです。

犯人は17歳の孫で、小学4年の時から学校に通っていない居所不明児童だったということで、話題になりました。

心理的・精神的に母親の指示に逆らうことは難しい状況で起こった事件で、読んでいくと、殺害した少年よりも、それを指示した母親に責任があるように感じてしまいます。

 

証人尋問に立った理化学研究所脳科学総合研究センターの黒田公美医学博士は、母親へのアプローチとして、次のような言及をしています。

 

「(母親の)生活保護を得てもホテル宿泊やゲームセンターなどで数日で使い切ってしまうような極端な浪費は、性格という認識より、経済的計画性や衝動性の制御などに専門的支援が必要だった。保護者の支援遅れ。

親の立ち直りなくして根本的な問題解決すなわち子どもの幸せを実現するのは難しい。」

 

事件として明るみに出る前に、この一家になにか手助け出来ることはなかったのかと、歯がゆい気持ちになります。

 

辛い内容ですが、自分にも出来ることがないか、考えさせられます。

 

 

大平信孝『先延ばしは1冊のノートでなくなる』

こんばんは、ノートという言葉に弱いゆまコロです。

 

大平信孝『先延ばしは1冊のノートでなくなる』を読みました。

 

タイトルからして、何かをノートに記録しよう、ということを提唱されるのだな、ということは推察できると思います。

 

この本で記録すべきことは以下の通りです。

 

ノートの1ページに十字を書き、4分割する。書くことは、上段左から時計回りに

①昨日一日で、嬉しかったこと・感謝したいこと・よかったことを書く。

 

②改めて、どう感じたかを書く。

 

③今日1日、目標実現のために本当はどうしたいかを書く。

 

④各やりたいことに対しての10秒で出来るアクションを書く。

 

それを随時、10秒アクションまたは、やりたいことが完了したら赤ペンで消していく。

 

毎日書くのは正直大変そうに感じました。

でも、いつもいつもやりたいことが先延ばしで、フラストレーションが溜まっているのを感じているくらいなら、こういう記録を日記のようにつけるのは有効かもしれません。

 

軽い感じでやってみたいです。

 

 

いしわたり淳治『うれしい悲鳴をあげてくれ』

こんばんは、ゆまコロです。

いしわたり淳治『うれしい悲鳴をあげてくれ』を読みました。

短編とエッセイです。旅行に行く時などに読むと良いと思います。

 

作者が仔犬を見た時の話が好きです。

 

「ここからは完全にペット素人のコメントになってしまうかもしれないけれど、勘弁していただきたい。

 まず、仔犬は小さい。犬種がトイプードルで親犬もかなり小さい身体だったからなのかもしれないけれど、僕の想像をはるかに越えて小さかった。寿司を握る手つきの中に隠れてしまうサイズである。「生まれたてはネズミみたいだよ」とは聞いていたが、あれではネズミの中でも虚弱なほうのネズミではないか。関節はどこも不安定で、全身が細かに震えている。短かすぎる体毛はあってもなくてもいいほどの超無意味な役割。恐る恐る触ってみると、案の定、ばっちり肌が冷たい。うわ、危うい!危うすぎる。大丈夫か、おい!フリースとか着る?チョコ食べる?おい!寝たら死ぬぞ!雪山で遭難したかのように声をかけた。

  鳴き声も「ピーピー」である。犬のくせに「ピーピー」。まだ目も見えず、ピーピー鳴きながら母犬を探して弱々しくもがく。まるでドン曇りの日にソーラーパワーで駆動しているようだ。腹の皮を下のほうにスライドさせてそこに単四電池を二本入れてあげたい。掻きだす手足は三回に二回は空振る。打率三割三分三厘。城島以上イチロー未満。これぞまさに無駄なあがきである。広辞苑の「無駄なあがき」の欄にこいつの名前を載せてあげたい。

  無駄にあがき、もがいて、どうにか辿り着いた母犬の懐でも乳首を上手く吸えずに今度は口先が空中をさまよう。この期に及んでもまだ何度も失敗する。ああ、もう。それ、あんたの唯一の仕事だろ?動作のいちいちが鈍臭くて、なんていじらしい。がんばれ、がんばれ!そして、気がつくと僕は仔犬の写真を撮りまくっていたー。」

「はやく人間になりたい」より

 

これを読んでから、仔犬を見るたび単四電池を連想してしまいます。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

 

 

今野清志『目は1分でよくなる!あなたの目がよみがえる7つの視力回復法』

こんばんは、ゆまコロです。

今野清志『目は1分でよくなる!あなたの目がよみがえる7つの視力回復法』を読みました。

 

以前、目にいいというサプリメントを飲んでいましたが、効いているのかはよくわからず…。他にも瞳のために出来ることがないか知りたくて、手に取りました。

 

この本で興味を持った対策は2つあります。

①一日500回のジャンプ

床から足が数センチ浮く程度のジャンプをすると、胃腸を揺らし、足の骨に刺激を与え、自律神経を活発化させるのだそうです。また、太ももを鍛えると心肺機能が向上するので、酸素を上手く体内に取り込むことにも。

膝が悪い場合は、もも上げ、スクワットでも代わりになるのだそう。

500回のジャンプで、ラグビー1試合ほどの運動量があるそうなので、ダイエットにも効果があるんじゃないかと思ってしまいました。

 

(何日か実践してみましたが、確かに結構ヘトヘトになります。本にあったように、100回ずつ五度に分けて、みたいなやり方が続けやすいようです。)

 

②お風呂での眼筋トレーニン

お湯に浸したタオルを小さくたたんで目の上に置きます。

目をつぶった状態で6秒上を見続けます。

その後右・下・左にも同じように6秒間見ます。

これを5回繰り返します。

目の上に軽い物が乗った状態で眼球を動かすことは「目の腕立て伏せ」になるのだそうです。

 

(やってすぐに血行が良くなった感じがあるので、PCやスマホを見て疲れた時は気持ちいいです。)

 

他にも空のペットボトルを使って深呼吸する方法など、お金をかけずに出来ることが多かったです。

血行の促進や、自律神経を整えることなど、一見視力とは遠そうですが、むしろ総体的にコンディションを上げることになりそうで、意外とワクワクしました。

 

目が疲れてる方や、もっと良いコンディションを目指す方へ。

自分に合う対策が見つかるかもしれません。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

 

目は1分でよくなる! ─あなたの目がよみがえる7つの視力回復法

目は1分でよくなる! ─あなたの目がよみがえる7つの視力回復法