ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

チームが機能する喜び。『ゼロからいくらでも生み出せる!起業1年目のお金の教科書』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。

 

今井孝さんの『ゼロからいくらでも生み出せる!起業1年目のお金の教科書』を読みました。

 

急ぎ起業する予定は特にないのですが、この著者の他の本を探している時、こちらも面白そうと思って手に取りました。

 

意外と、起業する人でなくても気づきがある本のように思います。

読んでいる内に、昔うまく行かなかった仕事のことと、現在の仕事で良くない思考が出てきそうになっていたことに気づきました。

 

 起業1年目からお金で困らない人は、まずは1円を稼いでみる


 1千万円、1億円を稼ぎたいのであれば、まずは1円を稼ぐ経験をすることをおすすめします。
 少額でも良いので、誰かからお金をもらう経験は人生を変えます。
 私の場合、マーケティングセミナーで受講生の方々に、お互いにセールスし合うという練習をしてもらうこともあります。
「ネットでたくさん売る方法を勉強しに来たぞ!」
と、皆さん意気込んでいるのですが、まずは目の前のたった1人に自分の商品を売るということを体験してもらいます。
 最初はこれがうまくいきません。「りんごジュースを売ります」「似顔絵を描きます」「タロットで占います」と言ってもなかなか買ってもらえません。
 たった1人にさえ売れないのであれば、ネットで売っても広告を出しても売れないが
ろうと予想がつきます。それで最初はショックを受ける人もいらっしゃいます。
 でも、何度かやっていくうちにコツがつかめてきます。 相手のニーズを聞いて、必要な提案をすることで取引が成立するようになります。
 そこでの経験は本当に貴重です。
 なぜなら、お金を稼ぐということは、人の気持ちを動かすことだからです。
 1円を稼ぐということは、1人の人間の気持ちを動かすことです。
 何度か交渉をしていくうちに、目の前の相手の気持ちがわかってきます。自分が想定していたのとは違うところで、相手が悩んでいることも多々あります。
 そうすると、どのような提案をすれば相手が喜んでお金を出してくれるのか、だいたいわかってくるのです。

 りんごジュースを売るにしても、最初は「美味しいですよ!」とだけしか言わなかった人も、相手のニーズに合わせて、「ダイエットにも良いですよ」「気合を入れたいときに飲むと、元気になりますよ」 「大切な人に贈ると喜ばれますよ」と、セールストークを工夫するようになります。
「それなら買います」
 と、はじめて言ってもらえたときは、本当にみなさん喜ばれます。
 目の前のたった1人に買ってもらえたとき、あなたはゼロからお金を生み出したわけです。つまり、人の心を動かすほどの魅力を作り出したのです。
 相手の言葉や表情を見て、相手の気持ちを理解して、魅力的な提案をすることができたのです。
「欲しい」「買いたい」「お金を出しても良い」という気持ちを、相手の心の中に生み出したのです。
 こうやってゼロから1を生み出すことは、相手の反応を見ながらでなければ、かなり難しい作業です。そして感覚的に身につけるには、試行錯誤して体感するしかありません。
 ネットや広告は、あくまでも1を10や100に「かけ算」する機能です。
 ゼロをいくら10倍、100倍にしてもゼロのままですので、1を生み出せるようになるまではお勧めしません。
 1人ひとりに丁寧にセールスする練習が、最終的に一気にたくさん売るための早道です。
 ビジネスとは他人の悩みを解決することです。あなたが、
「人はこの悩みにお金を払うのか」
 と腑に落ちた感覚をつかめたら、今後、お金で苦労することはないでしょう。
 他人の感情を深く理解できれば、いくらでもお金は生み出せます。
 そして、それは難しいことではありません。
 人の悩みをとことん聞き続けていれば、誰でもお客様の気持ちがわかるようになります。

 それを通じて、ビジネスで成功するだけでなく、自分が存在している意義さえ見えてくるかもしれません。
(p66)

 

この、お互いにセールスをし合う練習が面白いと思いました。

「お金を稼ぐということは、人の気持ちを動かすことだからです。
 1円を稼ぐということは、1人の人間の気持ちを動かすことです。
 何度か交渉をしていくうちに、目の前の相手の気持ちがわかってきます。自分が想定していたのとは違うところで、相手が悩んでいることも多々あります。
 そうすると、どのような提案をすれば相手が喜んでお金を出してくれるのか、だいたいわかってくるのです。」

以前、営業の仕事をしていて、ある時からお客様へ商品の提案がうまくできなくなった時期を思い出したのがこの箇所です。

今思い出してみると、まさに「相手の気持ちを理解して、魅力的な提案をすること」ができなくなっていたのだと思います。結局、成績の低下とともに心の余裕がなくなってその職場からは数年で離れてしまいましたが、あの頃、この文章を読んでいたら、もしかしたら初心に帰ってスランプに対応できていたかもしれない、と思いました。

 

 起業1年目からお金で困らない人は、自分が一番稼ぐ


 チームを組むと、どうしても不満が出てしまいます。
「アイツはぜんぜん仕事を取ってこない。自分だけこんなに汗をかいている」
 とそれぞれが思っていたりします。
 自分だけが働いて損している気がするわけです。


 不満を感じるのは、「自分が楽をしたい」という理由でチームを組んだときです。

 実際、多くの人がやりたがらないのが「集客」です。
 ビジネスの中では集客が最も大変です。 それを誰かにやってほしい、手伝ってほしいという気持ちは誰にでも湧いてくるものです。

 しかし、「他のメンバーが集客してくれるので自分は楽ができる」と思ってチームを組むと、ぜんぜん期待と違うということで、フラストレーションが溜まってきます。
 それを全員が思っていると、誰も一生懸命に集客をしてこないし、全員が不満を持つ状態になります。
 ですので、チームを組む時点で、メンバーそれぞれの期待値を合わせておかなければなりません。
 勝手な期待がチームを崩壊させます。
 最初にお金の話をしないから、後でお金のことでもめるわけです。
「儲けたい」「楽をしたい」というようなエゴの部分も出し合って、しっかりと話し合っておきましょう。
 特に利益の分け方は、しっかり決めておかなければなりません。
 働いた人が報われるように、「集客した人に多く配分される」ような分け方がお勧めです。
 そういう話し合いの中で、自分がどれだけ相手に依存しようとしていたのか、気づくことも多いと思います。
 お金や集客など、重要なことを他人に依存することほど、心を乱され、不満が溜まることはありません。
 最も理想的なのは、その対極の気持ちです。
「チームの中で自分が一番貢献する!」
 と決めることです。
 他のメンバーに依存せず、自分が最も集客をし、売上を上げることです。
 そして、そういう自分のあり方を誇りに思うことです。
 

 そのときに、「チームのために貢献できて嬉しい」と思う自分か、「自分ばかり働いて、他のメンバーは使えない」と思う自分か、どちらの自分になりたいでしょうか?
 多くの人は前者の自分が好きなはずです。
 ちょっと高いレベルの生き方ですが、不満もなく、むしろいい気分でいられます。

 ただ、チームの中で、あまりにも依存してしまうメンバーがいたとしたら、その人にとっては良くありません。その人の成長を考えれば、前向きにチームを解消することは良いと思います。
 自分が損をするからではなく、相手のことを思って判断してください。
 つまり、チームを組むのも解散するのも、自分のためではなく相手のためになるかという視点で考えるわけです。
 そうすれば悩むことも減るし、トラブルがあってもお互いのわだかまりは少なくてすみます。

 

 チームを組んで良かったと思うのは、楽しいということもありますが、それぞれの生き方や高い基準に触れられるときです。
「まあ、これぐらいで良いかな」と手を抜こうとしたときに、「でも、あの人だったらもっとやるだろう」と、思い出させてくれることもよくあります。
 それに、それぞれに活躍するタイミングがあります。
 あるときは助けられ、あるときは助ける側になる。お互い様です。
 チームの全員が「自分が一番貢献する!」と決められたら、きっとそのチームはうま
くいきます。
(p197)

 

起業というものは一人で行うイメージがありましたが、言われてみれば常に孤独な作業ばかりというわけでも

そしてこの文章を読んで考えたのは、今就いている仕事について。

誰が対応しても良い案件が不意に転がり込んできた時、つい「同じチームの誰かやってくれないかな…」という他力本願な気持ちが頭をもたげることがあります。

 

「重要なことを他人に依存することほど、心を乱され、不満が溜まることはありません。
 最も理想的なのは、その対極の気持ちです。
「チームの中で自分が一番貢献する!」
 と決めることです。
 他のメンバーに依存せず、自分が最も集客をし、売上を上げることです。
 そして、そういう自分のあり方を誇りに思うことです。」

こう考えてチームのために動けた時を想像すると、たしかに気分が良くなっているだろうな、ということは想像に難くありません。

よくよく振り返ってみると、目の前の自分の仕事でいっぱいいっぱいになってばかりいたな、と襟を正して読んでしまいました。

 

この先起業するときには、またじっくり読み直したいと思います。

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。