ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

少しの工夫の大きな差。『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』を読んで

こんにちは、ゆまコロです。

 

越川慎司さんの『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』を読みました。

 

表紙の、「最小の努力で残業沼から抜け出せる」という言葉が気になって手に取りました。

 

「自分はダメだ」 と思い悩んでしまう人へ→自己否定は「妄想」であることを知る


 誰にでも、弱みや苦手があるものです。5%社員にも必ず苦手なことがあります。
 しかし苦手なことに悩み、自己否定をすると、「自分はなぜダメなのか」「こんな私は将来どうなるのか」 といった不安の波にのまれてしまいます。
 自分を肯定できないと悩みが加速し、作業のパフォーマンスにも影響を与えてしまいます。
    5%社員は、「自分は劣っている」という間違った認識をリセットするように心がけていました。そのために実践していたのが、「自分の判断を尊重する」 「ポジティブな言葉を使う」です。
 たとえば、「この仕事に準備が必要かどうか」「この業務を続けるかどうか」などで迷ったときは、正しさや会議などの議論に固執することなく、自分の感覚で判断するようにしていました。
 また、うまくいかないときは、なるべくポジティブな言葉に言い換えるようにしていました。部下に能力不足を感じたときは、「未熟で使えない」ではなく、「成長余力が山ほどある」と言い換えて、自分も相手も前向きに行動をできるようにしています。
 それは自分自身に対しても同様です。「劣っている」という妄想をポジティブな言葉に変換し、自分の背中を押すことで、行動力を高めているのです。
(p162)

 

「自分の判断を尊重する」 「ポジティブな言葉を使う」という心がけが、『鋼の自己肯定感』にあったリフレーミングと似ているなと思いました。

「自分は劣っている」という感情は、多くが他者から直接指摘されることではなく、自らそういう判定を下している場合が多いので、単なる妄想、と言われればその通りだなと思います。

問題は、自己否定したその時に切り替えができるか?にかかってくると思います。

 

 何から始めればいいか迷ったときは、金曜日に「大きな仕事」を2つ書き出す


 最短距離の仕事を実現するには、「時間削減」ではなく、「何をするのか」を考えるようにしましょう。そのためにまずは、成果につながる最大の仕事を見つけ出し、最優先させることです。
 「ビッグロックの法則」というものがあります。 入れ物に小さな石と大きな岩をランダムに入れていったら大きな岩が入らなくなるので、先に大きな岩を入れてから、小さい石を入れていく、という手法です。
 時間管理でも、これと同じことが言えます。
 大きな仕事(ビッグロック)を最優先して時間割を決め、残りの時間で細かいタスクを詰めていくと最短距離で成果を出せます。
 5%社員は、 このプロセスを実現するために、金曜日に「 一週間で最も重要な2つのタスク」をメモしていました。
 5%社員は休み前の金曜日の午後に15分程度の内省をする習慣があり、直近一週間の予定を振り返っていました。その内省タイムでは、成果につながらなかったタスクの抽出に加えて、成果を出し続けるために取りかかるべき「重要タスク」を見つけ出していたのです。
 この行動は、無駄を削って効率を高めるだけでなく、中長期にわたって成果を出すために重要なタスク(=ビッグロック)を優先させる 「効果第一主義」の表れです。
 ビッグロックがなぜ2つなのかを複数の5%社員に尋ねたところ、「コンスタントに行動改善するため」「行動ハードルを上げないため」との回答が返ってきました。
 ビッグロックを3つも4つも書き出してしまうと、精神的なプレッシャーが高まってしまうそうです。たしかに、一気に3つ以上の大型案件があると全部こなせなさそうですが、2つほどなら継続できる確信を持てるように感じました。
 また、なぜビッグロックを書き出すのが金曜日なのかも確認したところ、「月曜に気持ちよく出社するため」 「月曜の初動を早めるため」と教えてくれました。
 休みの前に仕事の優先順位がクリアになっていると、「月曜に鬱々と出社」といった精神的負担が軽くなるそうです。また、やるべきことが月曜の朝一で明確になっていると、心地よくスタートダッシュがきれるとも考えていました。
 社内で一目置かれている5%社員は、95%社員よりも1・3倍の仕事が割り込んできます。
 しかし実は、この「割り込み仕事」が5%社員の作業効率を上げることがわかったのです。
 割り込んできた仕事が多くなればなるほど、5%社員は優先順位や手順を見直していきます。重要度の低い作業をやめたり、定型業務は稼働に余裕があるメンバーに委ねたりして、生産性を上げていたのです。
 割り込み仕事があることについて、「そんなときこそ、時間と精神のバッファ(余裕)を持つよう心がけるようになった」「そんなときこそ、不要だと思っていた業務をやめる勇気を持てた」とも発言していました。
 5%社員に限らず、多くのビジネスパーソンが多くの仕事を抱えています。しかし、闇雲にタスク処理をするだけではいくら時間があっても足りません。
 5%社員のように、「来週のビッグロック」をメモする習慣があれば、雪だるま式にタスクが増えても、的確に対応・処理できるのです。
(p168)

 

「割り込み仕事」に時間を取られること、あるあるです。その割り込み仕事のおかげで、予定していた仕事は何も手をつけられなかったぜ、と思って定時を迎えること、何日あることか。

しかしそれは、ビッグロックの法則を知らないで、闇雲にタスク処理をしていたからだったんですね。

そう言われて振り返ってみると、週明けの月曜日出社すると、前の週に散々追われていた大きなタスクの存在も丸っと忘れていることさえあります。

「金曜日に、一週間で重要なタスク2つを書く」、これはぜひやってみようと思いました。

 

 文字入力の速さに限界を感じたときは、音声入力をマスターする


 パソコンのキーボードやスマホフリック入力を用いて高速に文字入力を行う人が増えています。キーボードの配列を記憶し、キーボードを見ずに打鍵できれば効率的です。またスマホの小さい画面ならば、キーボードよりフリック入力のほうが適しているでしょう。
 そしてさらに速く入力するには、音声入力という手段があります。パソコンやスマホのマイクに向かって話すだけで、漢字変換までしてくれます。いくらキーボードのタッチが速い人でも音声入力にはかなわないでしょう。音声入力はあとで修正や校正が必要になりますが、それでもキーボードやフリック入力よりも速さで勝ります。
 5%社員も、多くの人がスマホに話しかけてメモを取っており、日々進化する音声入力の精度に驚いていました。
 私も音声入力を多用します。実際、この書籍も半分以上を音声で入力しました。 誤変換や句読点は後で修正していますが、それでも音声入力のほうが圧倒的に速いのです。音声入力のおかげで、私は一年間に10冊のビジネス書を執筆することができました (1冊8万字として、10冊で80万字を話して音声入力した計算になります)。
 音声を認識する機能や漢字変換、自動的に句読点を入れる機能などは、一度使ってみることをおすすめします。
 Zoomなどのオンライン会議の増加とともに、マイクを所有するビジネスパーソンが増えています。そのマイクを、ぜひ音声入力にも活用してみてください。
(p190)

 

1年間に10冊の本の執筆(!)、そんなことが可能なんですね。

音声入力、調べてやってみようかなという気持ちになりました。

 

 議事録は会議中に完成させる


 社内会議では、参加できなかった人や、新たに参加した人に過去の会議内容を共有するために議事録を作成するケースが多いです。
 議事録を見ることで会議の内容を思い出し、確実にアクションへつなげる効果があります。また議事録があれば、同じ議題を何度も話し合って時間を浪費する確率も下げられます。
 しかし、議事録をつくることに時間を使いすぎるのは問題です。
 たとえば、参加者全員に発言内容を確認して、各部門に回覧して会議4日後に議事録が完成するケースがありました。これは、5%社員が決してやらない「丁寧で遅い仕事」です。また、確認の途中で意図的に発言内容を消したり変更したりすれば、議事録の目的が果たされません。
 そこで5%社員が実践していたのは、会議中に議事録を完成させる手法です。
 会議の資料と一緒に、議事録が記載されたOneNote などのデジタルノートを共有し、その場で取ったメモをリアルタイムで参加者に見せていくのです。 オンライン会議であれば、各アジェンダの趣旨をチャットに投稿し、認識違いがあればその場で修正していました。
 こうして即座に議事録を見せることで確認作業も会議中に終わり、恣意的な修正を防ぐこともできます。
 会議の終了時に議事録がまとまっていれば、参加者に求められたアクションが実行される確率が高いことも調査で判明しました。
 議事録の本来の目的は備忘録として正しく記録すること、そして決議されたことを確実にアクションしてもらうことです。
 この2つの目的を果たし、かつ短時間で完了するリアルタイム議事録をぜひ、試してみてください。
(p224)

 

社内会議の議事録がなかなか出来上がって回覧されて来ないことや、議事録自体の確認や修正に時間がかかっていること、そして過去の議事録へいざ求められたアクションを確認しに行ったところ、そもそも情報が更新されていなかったことなど、議事録というキーワードだけで、これまでのいろんな思い出がよみがえります。

だからこそ、その場で完成させて次の行動に移すことが大事なんだよな、と噛み締めました。

次に自分が担当する時は、うまく活用できるよう工夫したいと思います。

 

即、「トップ5%社員」にはなれないかもしれないけど、なんかできそうかも、と思ったのはこれらの箇所です。ちょっとの工夫が意外と大きいのではないかと思わせる内容でした。

残業沼、なくしたいです。

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。