こんにちは。ゆまコロです。
村上龍『日本経済に関する7年間の疑問』を読みました。
村上龍が主宰する金融・経済のメールマガジン「JMM」の、村上龍のエッセイ部分をまとめたものです。
以前、このメールマガジンを購読していましたが、熟読するのが大変なほど送られてくるので(今思えば、ジャンルを指定すれば良かったのかもしれません)、当時は飛ばし読みでした。
筆者のコミュニケーションについての考え方が好きです。
「大切な人というのは、何か感動的な体験をしたときにそれを共有したいと思える人です。信じられないほどおいしい料理に遭遇したり、ワインを飲んだり、音楽を聞いたり、絵や映画を見たり、美しい風景や建物に出会ったときなどに、この感動をいつか共有したいという対象になる人が、その人にとっての「大切な人」なのだと思います。そして、それが実現したときに、その人たちが同じように感動するのに接すると、自分一人で感動したとき以上の喜びが湧き上がることもあります。それは広義のコミュニケーションであり、わたしたち人類はコミュニケーションそのものに喜びを感じる生きものなのでしょう。
昔読んだ本の中に、人類が直立二足歩行を開始してから、両手が自由に使えるようになり、わたしたちの祖先は狩りで捕った獲物や採集した果実などを、洞窟の中で待つ家族や親族のためにそれまでより楽に「持ち帰れる」ようになったのだと書いてありました。自分が飢えを充たす快感よりも、大切な人たちが喜んでくれることを成し得たという快感のほうが大きいのだということが、わたしたちに深く刷り込まれているのかもしれません。」
精神的に満足感の得られる事柄は他にもいろいろあると思いますが、ここでいうコミュニケーションの喜びを追及していくと、歳を重ねても、充実感のある日々を送れるのではないかと思いました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。