おはようございます、ゆまコロです。
岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』を読みました。
「そんなふうに、正義は次から次へとアイデアを出していったのだが、それに対し、みなみはそのほとんどを、なんの注文もつけることなく後押ししていった。
みなみは、沙也香に話を取りつけたのを皮切りに、陰に日向にと働いて、正義の提案の実現を次々と手助けしていった。
そうした時に、みなみは、正義の打ち出してくるそれらのアイデアについて良し悪しを判断しないよう心がけた。時には疑問に思うものもないわけではなかったが、それを口には出さず、ほとんど無条件でその実行を手伝った。
それは、アイデアの良し悪しを判断するのは自分の役目ではないと思っていたからだ。『マネジメント』にはこうあった。
あらゆる組織が、事なかれ主義の誘惑にさらされる。だが組織の健全さとは、高度の基準の要求である。自己目標管理が必要とされるのも、高度の基準が必要だからである。
成果とは何かを理解しなければならない。成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである。すなわち、まちがいや失敗をしない者を信用してはならないということである。それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。成果とは打率である。弱みがないことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は、優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる。(一四五~一四六頁)
みなみは、正義のやろうとしていることの良し悪しは分からなかったが、それが「新しいことを試み」ているというのはよく分かった。だから、彼の「意欲」や「士気」を大切にしようとしたのだ。」
すごく好きなところです。
(馬子引きになってしまい、すみません。)
仕事がうまくいかなくて落ち込んでいた時、ここを読んで勇気づけられました。
他にも、うるっと来たところもあり、面白かったです。
ドラッカーを読んでみたいと思いました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (新潮文庫)
- 作者: 岩崎夏海
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/11/28
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