おはようございます、ゆまコロです。
9作品あるムーミンシリーズも、もう5作目です。
春が来たのに、スナフキンはなかなかムーミン谷にやってこない…とムーミントロールが思っているうちに、彼とスノークのおじょうさんは、家族とはなればなれになってしまいます。
そうこうするうちに、ミイもはぐれてしまい、みんながバラバラに行動する場面が印象的な巻です。
とつぜん、子だくさんの父親になるスナフキンが衝撃でした。
ぜんぜん、問題解決しないけど、かわいいシーン↓
「「もうじき、あの子たちは、雨でかぜをひいてしまうぞ。だけど、それよりも、もっとこまったことになるかもしれん。あの子たちをたのしませるものは、たぶん、なんにも見つけられまい。あの子たちは、たばこもすわないし、ぼくの話は、みんなをこわがらせてしまう。そうかといって、一日じゅう、さかだちしてやってるひまはないしな。そんなことをしていたら、夏がおわるまでに、ムーミン谷へ帰れなくなっちゃうもの。ああ、ムーミンママが、あの子たちのめんどうを見てくれたら、ほんとにたすかるんだがなあ。」
スナフキンは、暗い気持ちで、そんなひとりごとをいいました。そのうちに、急になつかしさがこみあげて、考えました。
(ムーミントロール!また、月の光をあびて、いっしょに泳ごうね。そのあとで、ほらあなの中へはいって、おしゃべりをして…。)
そのとたんに、ひとりの子が、なにかこわいゆめを見て、なきだしました。ほかの子どもたちも、みんな目をさまして、同乗してなきさけびました。
「おお、よしよし。あばばのばあ、ぷるぷるぷる!」
と、スナフキンがいいました。
だめです。なんのききめもありません。
「この子たちは、あんたのこと、おもしろいと思わないのよ。」
と、ちびのミイが説明しました。
「わたしのねえさんみたいにするのがいいわ。なきやまないと、たたきころしちゃうぞ! っていうのよ。そのあとであやまって、キャンデーをやるの。」
「そうすりゃ、ききめがあるかい?」
「ないわ。」
と、ちびのミイはいいました。」(p168)
そしてこの巻、トーベさんはだいぶムーミンの世界観をうまくコントロールしている感があり、同じ時間、違う場所で、誰が何をしているか?という場面の使い方がとても上手だと思いました。
挿絵も動きがあり、ぜんぶコピーして塗り絵にしたいくらい可愛いです。
どれが一番かは決めるのが難しいのですが、あえて言えば、お弁当を持って、木の上に上がるムーミントロールの絵です。(p96)
最後まで読んで下さってありがとうございました。