ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

ヨハンナ・シュピリ『アルプスの少女』

おはようございます、ゆまコロです。

 

ヨハンナ・シュピリ『アルプスの少女』を読みました。

 

アニメの絵柄を知ってはいるけど、ちゃんと通して観たことはなく、どんなストーリーなのかもよく知らなかったので、本で読んでみました。

 

ハイジと会う前のおじいさんの様子や(かなり偏屈そう)、ハイジがフランクフルトに行くこと(そして病気になる)、ハイジとクララが仲良くなったことにやきもちをやいたペーターが谷底に椅子を捨てる話など、ぜんぜん知らないエピソードばかりで、抱いていたイメージよりも面白かったです。

(調べたらアニメでは、この椅子のエピソードは変更になっているようです。)

 

フランクフルトで夢遊病にかかり、アルムヘ帰ったハイジがおじいさんと再会するところで泣けます。

 

「(ペーターの)おばあさんは、まえのように、またさびしい日を過ごしました。

 「ああ、ハイジがいなくなっては、もういいことも、楽しいこともなにもなくなってしまった。神さま、わたしがあの世へいきますまでに、どうぞ、もう一度、あの子にあわせてくださいまし…。」

 朝も晩も、おばあさんは、こうお祈りするだけでした。」

 

「「これからは、すぐに思ったとおりにならないからって、けっしてがっかりなんかしない!フランクフルトのときのことを思って、神さまに感謝するわ。いつも神さまのことを思ってお祈りしましょうね、おじいさん。あたしたちが神さまのことを忘れると、神さまのほうでも、あたしたちを忘れてしまうんだから。」

 「それじゃ、神さまのことを思わなくなると、どうなるんだい?」

 「そんなことをすれば、悪くなるにきまってるわ。神さまはあたしたちのしたいように、させておくからよ。困って悲しいめにあうわ。そしてだれもかわいそうだとも思わなくなるのよ。じぶんからさきに、神さまのことを思わなくなったんだから、神さまが思ってくれなくなっても、しかたがないのよ。」」

 

シュピリは信仰心のあついプロテスタントだったということです。

ところどころで作者の宗教観が出てくるように思いました。

(アニメでは、それほど宗教色が前面に出ていないようです。)

 

スイスに行ってみたくなります。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

ハイジ (上) (岩波少年文庫 (106))

ハイジ (上) (岩波少年文庫 (106))