ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

中野信子『ヒトは「いじめ」をやめられない』

こんばんは、ゆまコロです。

 

中野信子『ヒトは「いじめ」をやめられない』を読みました。

 

ショッキングなタイトルですが、いじめという行為がいつの年代にも不可避であることを思い知らされます。

 

「相手の気持ちを考えましょう」と教え諭したところで、子どもの脳は「共感」の機能が未発達なので、いじめを回避したい場合には間に合わない。」

 

「子どもを信じないということではなく、子どもは無邪気で天使のような心を持っていると考えるのは、大人の懐古趣味的な幻想に基づいた誤謬である。子どもはごくシンプルに「成熟していないヒト」である、という現実を認識する必要がある。」

 

「子どもの脳は発達段階で、抑制が利きません。限度を知らないので、いくらいじめるなと言っても行動を止めることはほとんど不可能でしょう。

結局は、大人が見えないところで隠れてやってしまつだけです。そして、いじめをやめられない理由は、子どもたちにとっていじめは楽しいことであり、いじめている側に力と正義を感じさせてくれるものだからなのです。

  だからこそ、これを根絶することが難しいのです。」

 

漫画や小説でいじめの描写を見ると、モヤモヤして嫌な気持ちになるのですが、この本を読んだあと、腑に落ちる感じがしました。

 

もし、自分がいじめの渦中にあるとしたら、直接的な解決法はこの中に見つからないかもしれませんが、少し離れたところから状況を見つめることは可能かもしれない、と思いました。

 

教育者や、誰かを教える立場にある人、あるいは集団をまとめる役職に就いている人にも、参考になる箇所があると思います。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

ヒトは「いじめ」をやめられない (小学館新書)