ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

中山祐次郎『幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと 若き外科医が見つめた「いのち」の現場三百六十五日』

こんにちは、ゆまコロです。

 

中山祐次郎『幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと    若き外科医が見つめた「いのち」の現場三百六十五日』を読みました。

 

「人は誰もが、いつか死んでしまう。それもしばしば突然に」

筆者は、まずこの事実を受け入れてみるのはどうか、と言っています。

 

本書でも紹介されていますが、人間は自分の生命が脅かされるほどの「限界状況」におかれたとき初めて、自分の本音を知るのだそうです。

(「限界状況」…人は「自己の死」や「原罪」などに突き当たることによって「実存」に目覚める(=自分のこころの底からの本音を聞いて自覚すること)。カール・ヤスパース(ドイツの哲学者))

 

印象的なのは、筆者がプロレスラーの方とお話をする場面です。

 

「「竜司さん(竜司ウォルター、プロレスラー)は、死ぬのが怖いですか?」

すると、彼はにっこり笑ってこう答えました。

「死ぬのが怖いですかと言われて、怖くないと言える人なんていないんじゃないかと思います。でも、俺は怖くない。なんで俺がプロレスやってて死ぬのが怖くないか。

  自分が選んだ道だからです。100パーセント自分が選んだことだからです。

  しかも、お客さんがお金を払ってチケットを買って、わざわざ足を運んで来て見てくれている。そのなかで散ってしまうなら、これは本望かもしれない。こんなに幸せなことはない。お客さんが俺の死を見てくれた、ありがとうと思う。あとから葬式をやるよりも、その場で死に際を見てもらう、これこそが葬式なんじゃないか」」

 

自分は、たぶん自分の本音を知らないんだろうなぁ、と不安になりました。

 

本書で紹介されていた本も面白そうだったので、読んでみようと思っています。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。