おはようございます、ゆまコロです。
ドストエフスキー、亀山郁夫(訳)『カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻』を読みました。
「ほんとうにどんな人間でも、だれそれは生きる資格があって、だれそれは生きる資格がないってことを、自分以外の人間について決める権利があるんですか?」
(アリョーシャ)
このセリフは、また何かの折に思い出すことがあるかもしれないと思いました。
この巻を読み終えて思ったのは、「アリョーシャの恋人リーザ(リーズ)が怖かった」ということでした。裁判や推理小説的なところや、宗教的なところなど、論点がいろいろあるのですが、いろいろあり過ぎて、読了後はぼんやりとしていしまいました。
しかも、『カラマーゾフの兄弟』には、もう一人リザヴェータが登場するではないか、そう、リザヴェータ・スメルジャーシチャヤ(スメルジャコフの母)が。おそらく、この謎に満ちた問いも、「第二の小説」では、きわめて具体的な回答が与えられたはずである。
続編が書かれるはずだったのに存在しない、というのも、この物語を面白くしている要素の一つなのかもしれません。想像するしかないのが残念ではあります。
また、作者のドストエフスキーが18歳の時、再婚を控えた父親が農奴に殺害されるという出来事も、創作に影響しているような気がしました。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)
- 作者: ドストエフスキー,亀山郁夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/07/12
- メディア: 文庫
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