ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

ベン・ライス『ポビーとディンガン』

おはようございます、ゆまコロです。

 

ベン・ライス、雨海弘美(訳)『ポビーとディンガン』を読みました。

 

あらすじはこんな感じです。

 

「アシュモル・ウィリアムソンの妹、ケリーアンには、「特別な人にしか見えない」友達がいた。ポビーとディンガン。アシュモルも、父のレックスも二人の存在を信じていなかった。
 レックスは、鉱山でオパールを採掘するため、家族とともにオーストラリアのライトニング・リッジにやってきた。
 ある日、レックスは、ケリーアンに、ポビーとディンガンが存在しないことを認めさせようと、ケリーアンが学校に行っている間に、鉱山に連れて行くと言い出した。
 その夜から、ケリーアンは具合が悪くなり始めた。ポビーとディンガンがいなくなった、鉱山で死んでしまったのかもしれない。彼女はそう主張し、食べなくなった。
 二人を探すために鉱山に行き、盗掘疑惑をかけられる父。日に日に衰弱していくケリーアン。二人を助けるためには、ポビーとディンガンを-あるいは、二人の死体を-見つけるしかない。少なくとも、ライトニング・リッジの人々に、二人を探すふりをしてもらうしかない。こう考えて、アシュモルは二人を「探す」ために奔走する。」

 

(あらすじは「のぽねこミステリ館」様よりお借りしました。)

ベン・ライス『ポビーとディンガン』 | のぽねこミステリ館 - 楽天ブログ

 

上記で、のぽねこ様も言及しているのですが、ポビーとディンガンは妹の空想だと思っていた兄が、次第にその考え方を変える所と、住民も架空の存在だった二人を認め始める所が見どころだと思います。

 

 …ベストは尽くしたよと胸を張って言える。ケリーアンも喜ぶだろう。ポビーとディンガンがいる場所をパンチしていたころとは別人だと思ってくれるだろう。それに、お兄ちゃんはなんにも信じないひとなんだ、と思ったまま、ケリーアンが死んでゆくのは嫌だった。

 

この部分が好きです。

 

 

父さんの話を思い出した。

この地球には空の星と同じ数だけオパールがあるんだよ。オパールは土の中に隠れているのは星よりもきれいだから、そんなものがごろごろ目の前に散らばっていると人間の心が壊れてしまうこらなんだ。

 

 

頭からこうだと決めつけないで、柔軟な思考を持ちたいと思わせる本です。

それと、この本には「メロー・イエロー」なる飲み物が、非常に美味しそうに書かれています。コカ・コーラ社が販売している柑橘風味の炭酸飲料なのですが、残念ながら生産終了のようでした。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

ポビーとディンガン

ポビーとディンガン