ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

福井晴敏『機動戦士ガンダムUC 2.ユニコーンの日(下)』

おはようございます、ゆまコロです。

 

福井晴敏機動戦士ガンダムUC 2.ユニコーンの日(下)』を読みました。

 

この本の中で、 “コリオリ気流” という現象について、以下のように書かれています。

「コロニー内壁付近で、コロニーの回転に伴い吹き荒れる流動の空気。中心軸に当たる人口太陽周辺の熱調節用の人口対流と互いに干渉し合っている。」

 

初めて聞く言葉でしたが、コリオリの力と関係があるのでしょうか。

コリオリの力」=この力の影響で、北半球では台風の渦が左回りになり、南半球では右回りの向きになる。電車が発進するときは、体が静止し続けようとするので、後ろに倒れそうになり、電車が停止するときは、体が進み続けようとするので、前に傾きそうになる現象と似たもの。

 

nayami0425.com

 

 

それはさておき、この巻で印象深かったのは、主人公の曽祖父・サイアム・ビストのことをバナージの父親から見た場面です。

 

「『ラプラスの箱』を、それを託すに相応しい者に託し、あるべき未来を取り戻すという途方もない夢に生涯を賭けた。そして、そっくり同じ人生を歩むことになった自分に、わたしを赦(ゆる)すか?と問うた。

 

 他人の承認など、決して求めなかったサイアム・ビストが。その心理は、末期を迎えつつあるいまの自分にはよくわかる。人は、いかように生きようとも満たされない人生を埋め合わせるために、子をもうけ、後事を託す。子殺しという最大の辛苦を受け止めてなお、自分という孫に承認を得られた祖父は幸福な人であった。」

 

後世の人物に対して皆がどう考えているのか、口にする場面はなくても、胸中がうかがえると少し親近感が湧きます。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。