ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

蒲松齢『聊斎志異』

おはようございます、ゆまコロです。

 

蒲松齢(ほしょうれい)、宮脇紀雄(訳)『聊斎志異』(りょうさいしい)を読みました。

 

中国の短編集ですが、清の時代に書かれたもので、400余編あるそうです。

作者は役人になる登用試験を受けるものの、順調には行かず、結局郷里で詩や台本などを手掛け、静かな文人生活を送ったとのことです。

母が小さい頃読んで、インパクトがあった、と言っていたので読んでみました。

 

私が気に入ったのは、貧乏だけど正直者の王成(おうせい)という人が、王さまにうずらを譲ってお金持ちになる話(「幸福のうずら」)です。

 

幽霊や妖狐が出てくる話が多いです。

「おじいさんがきつねの奥さんをもっていたということは、聞いて知っていましたので、おばあさんのことばを信じることができました。」

などと、なんか変じゃないか?と思うようなことがさらっと書いてあるけど、全編そんな感じのノリです。

 

あと好きなのは、父の大事なこおろぎを殺してしまったため、自分がこおろぎになって役人や宮中のこおろぎと戦って償いをするという「こおろぎ合わせ」という話です。

 

結末はぜんぶハッピーエンド、というわけでもないのですが、普通の人々がちょっと不思議な目に遭う、みたいな世界観が面白かったです。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)

聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)