ニジタツ読書

OLのゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

岩田健太郎『1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方』を読んで

おはようございます。ゆまコロです。

 

岩田健太郎『1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方』を読みました。

 

著者は感染症専門内科のお医者さんです。 

岩田先生が思う上手な時間の使い方とは、端的に言うと、

「その与えられた場にふさわしい時間の使い方がある。その場にふさわしい時間の使い方をすること」(あとがきより)らしいです。

 

上手に時間を使うための方法として、本書では、3つが挙げられています。

1.ちまちまと時間をやりくりして時間を削り取ること。

2.大事な時間を慈しむこと。

3.停滞や挫折を恐れないための方法。

これらの視点から筆者の考えが書かれています。

 

岩田先生が大学でどんな授業をしたり、オフをどのように過ごしたり、どんな本を読んだりしているのかがふんだんに書かれているので、時間管理術やノウハウというよりは、限られた時間を意識するための考え方を、エッセイの中で展開している、といった感じです。

 

時間にいいようにこき使われ、支配されるのがせいぜいで、絶対的に時間を上手に使うことなどできない、と言い切りながら、感染症治療学分野の教授を務める著者にとっては、時間を有効に使うことはごく自然なことなのだと思います。

 

そんな著者の、5年先、10年先の目標は立てない方がいい、という主張には重みを感じました。

 

 正直言って、今のような目まぐるしく転換していく世の中で、5年後、10年後のキャリアプランを立てても、あまり意味はないと思います。環境が劇的に変遷する中で、5年先の世の中を予見することは極めて難しいのです。5年前、サブプライム問題を予見した人が何人いたでしょう。民主党政権ができることを予見した人が何人いたでしょう。あの巨大な大地震津波が東北を襲い、原子力発電所のレゾンデートルが(文字通り)根底から揺るがされると予見した人が何人いたでしょうか。

 

 未来に対するビジョンと未来予測は同じではありません。ビジョンは「あり方」を指し示すものです。僕は学生のころから「世界で通用する」人になりたいと思っていました。今でもそう思っています。でも、これこれの職業に就いて、こういう役職に就いて…という予見は一切立ててきませんでした。「世界で通用する」ビジョンに至るには、「今」どうしたらよいか。そのことしか考えていませんでした。僕のまなざしは未来のほうを向いていますが、立っている地面は「今の地面」だけです。今どうするか。それしか僕は考えていません。(p92)

 

この本が出版されたのは2011年ですが、このコロナ禍で読むと、本当に先のことを予見することは困難だと思い知らされます。だからこそ、”今どうするか” を真剣に考えることが大切であると感じました。

 

また、仕事を抱え込んであっぷあっぷしないためには、能ある鷹は爪を隠すように、程よく能力を隠すとうまくいく、というお話の中で著者が挙げていた、古今亭志ん生の『火焔太鼓』という落語が面白そうだと思いました。

今度見てみたいと思います。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。