ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

ベルンハルト・シュリンク『朗読者』

おはようございます、ゆまコロです。

 

ベルンハルト・シュリンク松永美穂(訳)『朗読者』を読みました。

 

違うタイトルで映画にもなっています。

物語は、15歳の主人公・ミヒャエルが学校帰りに気分が悪くなり、見知らぬ女性(ハンナ)に看病してもらうところから始まります。

病気が治ったミヒャエルは彼女を探し出し、二人はだんだん仲良くなります。

「朗読者」というタイトルは、ハンナがミヒャエルに本の朗読をお願いするところから来ています。

 

仲良しになる過程の二人の、印象的な会話がこちら。

 

 

「もう来ちゃダメよ。勉強がバカみたいだって?バカ?あんた、切符を売ったり穴をあけたりすることがどんなことかわかってるの」

 

「ごめんなさい。勉強はします。あと六週間で学年が終わっちゃうから、間に合うかどうかわかんないけど。とにかくやってみる。」

 

 

この時、どうしてハンナが怒ったのか、ミヒャエルも読者も最初は分かりません。

 

物語が進み、このセリフの背景にあるものが分かったときの気持ちは、なんと表現したらいいのか迷うのですが、この衝撃に酔いしれるのがこの本の醍醐味な気もするので、ここでは触れません。

 

この後、重い展開が待っているのですが、それだけに、序盤の二人の仲睦まじい様子には癒されます。

 

私のお気に入りは、ミヒャエルがコークスだらけになってお風呂に入るシーンです。

(映画では描かれているのかはまだ未確認ですが。)

 

とても好きな本です。

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

朗読者 (新潮文庫)

朗読者 (新潮文庫)