ニジタツ読書

読んだ本の感想です。胸に刺さった言葉をご紹介します。時々美術館のことなども。

ポール・オースター『シティ・オヴ・グラス』

おはようございます、ゆまコロです。

 

ポール・オースター、山本楡美子・郷原宏(訳)『シティ・オヴ・グラス』を読みました。

 

オースター作品でよく見る柴田元幸さんではない方の翻訳です。訳者が違っても、やっぱりポール・オースターだなと思えるところが安心します。

 

物語の中でオースターの名前が何度も絡んでくるので、実際に作者が事件に巻き込まれているのか?という不安な気持ちになってきます。

 

この本で好きなのは、物語の途中で突然絵が入る所です。

(尾行のターゲットの散歩コースがメッセージだと気付く場面。)

 

自分の脅威となる人物を尾行してほしい、という依頼を受けたものの、終わりの見えない仕事に、読んでいるこちらもだんだん気が滅入ってきます。それでも主人公は、仕事にけりをつけようとしてくれるのが嬉しいです。

 

 

やりとげるしかなかった。二つの答えはありえない。これかあれか。

要するにどちらをとるかだった。

 

 

責任感があるところが素敵です。

 

 

 

 夜と昼は、いわば相関関係にある。一方だけでは成り立たない。いついかなるときでも、二つで一つだ。

 我々がそのことをよくわかっていないのは、同時に二か所にいられないからにすぎない。

 

 

オースターの作品を読むと、身の上に起こったことを冷静に受け止める姿勢がいいな、とよく思います。

しかし、規律正しい人が秩序を保ったまま次第に狂っていくような印象なので、何度も読んで楽しみたいか?と聞かれると、首をひねってしまいます。

 

漫画化もされている話です。

この本が好きなら、他のオースター作品も楽しめるはずです。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

シティ・オヴ・グラス (角川文庫)

シティ・オヴ・グラス (角川文庫)