おはようございます、ゆまコロです。
ジュール・ヴェルヌ、石川湧(訳)、花岡大学(文)『十五少年漂流記』を読みました。
タイトルだけ何となく知っている本を、子ども向けの文学全集の中から選んで読んでみました。
タイトルの Deux Ans de Vacances は直訳すると「二年間の休暇」ですが、森田思軒は「十五少年」という邦題にした、と解説にありました。
家に帰れなくなってしまった少年たちですが、大所帯なこともあるからか、無人島で
ゼロから暮らしを形成する苦しさはあまり書かれていません。帰ってくる直前までは自由なキャンプに来ているかのような印象さえ受けます。
なので、確かに「休暇」という言葉はしっくりきます。
しかし、自分がこの状況下に置かれたら、ボートを作ったり、獣を解体したり、仲間のために他の人間を撃ったりできるだろうか、と考えると、現実味が薄くなります。(こんなに楽しいわけないでしょ、的な感想になってしまうので。)
物語には、年齢も人種も違う子どもたちが漂流し、それぞれが相手や自分の境遇をどうとらえているのか、会話などから時々垣間見えます。
森田思軒がこの話を日本語にしたのは明治29年とのことですが、休暇という位置づけよりも、人種の違いや立場にこだわらず、目的に向かって進む状況を切り取ることを選んだのかな、と思いました。
お芝居にすると、とても動きがあって面白い話だと思います。
最後まで読んで下さってありがとうございました。