ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

細川貂々『ツレがうつになりまして。』

おはようございます、ゆまコロです。

 

細川貂々ツレがうつになりまして。』を読みました。

 

本文がとても分かりやすく、うつ病という病気が伴侶から見るとどのようなものなのか、リアリティを持って伝わってきます。

 

心に残ったのは、本文の間に掲載されている、著者の旦那様(うつ病を発症した当事者)の言葉です。

 

 この病気の不思議で怖いことは、なぜだか本当に死にたくなってしまうところだ。

 

 僕自身、そうしたことを元気な頃から知識としては知っていた。でも、実際に自分がそのような気分にはまると、予想とはまったく違った。それが日常となって持続していた時期は、今思い出しても一番つらかった。

 

著者の言葉からは、この方の普段の性格を窺うことができます。

 

 以前のツレは頑固で自分の決めたことは絶対に譲らず、神経質で人の言うことなんか聞かないような人間でした。それが病気をしたことで、やわらいだ気がします。

 

 今思うとうつ病になったことは、ツレの人生の中で避けて通れなかったことのように思います。これは仕方のないことだったのです。

 

 ツレは病になってはじめて自分の弱さに気づくことができたので、うつ病になったことは決して無駄にはなっていないと思います。 

 

乗り越えられた今だからこそ言える言葉であるように思いました。この病気の最中にいる時は、本人も、家族も、大変な苦しみだったであろうことが伝わってきます。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)