ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

レイチェル・L・カースン『われらをめぐる海』

おはようございます、ゆまコロです。

 

レイチェル・L・カースン『われらをめぐる海』を読みました。

 

カースンは環境問題を告発した生物学者です。

海と生物の歴史が詩的に描かれていて綺麗です。語り口は嫌いではないのですが、内容はやや難解でした。

 

例えばこんな感じです。

「伝説的な陸地についての根拠(ギリシャに刃向かったため海に呑まれたとされるアトランティス

 原始人たちは森を歩き、粗末な石器を持っていた。彼らはシカやその他の獲物に忍び寄り、火打ち石で湿気の多い森の樹の根を掘りかえしていた。

 やがて氷河が退却し始め、氷が融け、その水が海にそそいだため、海面が上昇し、ここは島となった。おそらく人間は、本土との間の海峡があまり広くならないうちに、彼らの石器を放棄して、本土に逃れたことだろう。けれども当然、動物たちの大部分は島に残った。かれらの島は次第に小さくなり、食物はだんだんと欠乏してきたが逃れる方法はなかった。こうしてついに海は島を呑み、その生物も陸地と運命をともにしたのである。」

 

でも、地名を検索しながら、その土地について想像力を働かせるのは、結構面白いと思いました。通勤中の気分転換になります。

こんな場所とか。

 

「サルガッソ海は、風に忘れ去られ、その周りを河川のように流れる強大な海流によって、取り残された場所である。めったに曇ることもない空の下に、暖かい水があって、その水は塩分のため重くなっている。沿岸の河川や、北極の氷から遠くへだたっているので、淡水によって塩分が薄められるということもない。」

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

われらをめぐる海 (ハヤカワ文庫 NF (5))

われらをめぐる海 (ハヤカワ文庫 NF (5))