こんにちは、ゆまコロです。
斉藤洋『ルドルフといくねこくるねこ ルドルフとイッパイアッテナⅢ』を読みました。
前に書いた本と巻数が前後しますが、忘れないよう書いておきます。
ルドルフが飼い主だったリエちゃんとの思い出を整理して、胸の中にしまっておくことが、本の最初のほうに出た「ふなだんす」の伏線になっていたり、ブッチーの飼い主の金物屋さんが潰れたり、浅草でリエちゃんに再会したりと、大きな動きのある3巻です。
どこらへんが、とは言えないのですが、作者は、この3作目を書くのは結構大変だったのではないかな、と読んでいて思いました。
「一度岐阜に帰り、うちに新しいルドルフがいるのを見たとき、ぼくは岐阜をすてて東京を選んだつもりだった。それなのに、またあえるかもしれないなんて、うじうじ期待してしまう自分がいやだ。
でも、でも、でも、ほんとうはもっと、もっといやなことがあるのだ。
ぼくは岐阜ではなく東京を、そして、リエちゃんではなく、イッパイアッテナやブッチーヤデビルをえらんだのだけど、けっして岐阜やリエちゃんをわすれてしまおうと思ったわけではない。それどころか、一生、心の中にしまっておこうと思っていた。
ぼくは、お線香を売っている建物の前に五人の女の子たちがいることに気づいていた。けれども、リエちゃんが、
「ちょっとにとるけど、うちのルドのほうが、もっとかわいいやん。」
というまで、そこにリエちゃんがいることがわからなかったのだ。
なんてことだ、見ていてわからなかったなんて!」
この、リエちゃんとルドルフの再会シーンが、時間の経過とそれぞれの成長を感じさせて、なんだか切なかったです。
表紙の絵は、この巻が一番好きです。
最後まで読んで下さってありがとうございました。