ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

ポール・ニザン『アデン、アラビア』

こんにちは、ゆまコロです。

 

ポール・ニザン小野正嗣(訳)『アデン、アラビア』を読みました。

 

作者はフランスの作家であり、哲学者でもある人です。

 

「僕は二十歳だった。それが人生でもっとも美しいときだなんて誰にも言わせない。」と始まる、美しい出だしとは裏腹に、終始とっつきにくい本でした。

 

物語の「僕」は、生活の閉塞感に苛まれ、フランスを飛び出し、不満と不安と闘っているようだ、ということしか分からなかったです。

 

そんな本書で印象に残った文章がこちら。

「何も起こらないし、急がなければならないことは何もない。僕は自分が時間を感じることができたことを忘れている。時間が流れているのを感じるときは、まずい生き方をしているときなのだけれど、とにかくひとは生きている。よく生きているときには、時間が流れない。時間は人間に所有されているからだ。時の利益はあるが、僕はもう時間のことは考えない。時がふたたび動き出すのはいつの日なのか誰も予見することはできないのだから。」

 

大好きな池澤夏樹さんが全集の為に選んでくださった話なのだけど、読解力がなくて申し訳ないです、と言いたくなってしまいました。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

アデン、アラビア/名誉の戦場 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-10)

アデン、アラビア/名誉の戦場 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-10)