ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

トーベ・ヤンソン『ムーミンパパの思い出』

おはようございます、ゆまコロです。

 

トーベ・ヤンソンムーミンパパの思い出』を読みました。

 

ムーミンシリーズの4作目です。
この本で、初めてリトルミイが登場します。


そして、彼女がいるのに、母親を同じくするスナフキンがまだ生まれていないことから、二人がきょうだいであることが明らかになります。


ムーミンパパが若いころの話をみんなに聞かせている、という本書なので、物語は過去と現代を行ったり来たりします。


上手だなぁと思ったのは、ムーミントロールとその父親の性格の書き分けが明確であるところです。
ムーミンパパは息子のムーミントロールよりは感情的で、環境などの変化を求め、行動的な感じです。(息子は、母親似なのかもしれません。)


ムーミンパパがヨクサル(スナフキンの父親。船旅に協力的ではない)をあまり好きじゃないのが、ちょっと意外な感じがしました。


パパとママとの出会いも印象深いです。海で遭難し、助けてもらったのに、開口一番、ハンドバッグの行方を心配するムーミンママ。

いつも彼女はみんなの中にいると現実主義者でありながら、どこか沖融たる言動が癒されるなあと思います。


この本に出てくる仲間で一緒に遊ぶとしたら、ロッドユール(スニフの父親)かなと思いました。純朴で、優しい性格が好きです。


孤児院の玄関にムーミンの入った紙袋が置いてあるなんて、考えただけでも衝撃的です。ぜひ拾いたい。

 

来年のムーミン展が今から楽しみです。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

新装版 ムーミンパパの思い出 (講談社文庫)

新装版 ムーミンパパの思い出 (講談社文庫)