ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の彗星』

こんばんは、ゆまコロです。

 

トーベ・ヤンソンムーミン谷の彗星』を読みました。

 

作者が書いたムーミンのシリーズでは、書かれた年代で見ると二作目にあたります。

この本で、ムーミントロールスナフキンスノークスノークのおじょうさん(フローレン)に初めて出会います。

 

スナフキンからスノークのおじょうさんに会ったことがあるかと聞かれ、最初はばかにしていたムーミントロールが実際に彼女に会うと、一気に骨抜きになってしまう様子が可愛いです。

 

一番好きなのは、みんなで買い物をするシーンです。

 

「「これ、つけてあげるわ。あのわるい植物から、わたしをたすけだしてくれたんですもの。」

  ムーミントロールは、むねがいっぱいになって、口がきけません。ひざをついて、首へメダルをつるしてもらいました。メダルは、とても美しく輝きました。

  「あなたが、自分のすがたがどんなにりっぱだか、ごらんになれたらねえ。」

  と、スノークのおじょうさんがいいました。

  そこで、ムーミントロールは、せなかにかくしていたかがみをさしだしていいました。

 「これは、きみのだよ。ぼくのすがたをうつしてよ。」

  ふたりがかがみでうつしあいっこをしているさいちゅうに、ドアのベルが鳴って、スナフキンがはいってきました。

「このズボンは、やっぱり、ここでもっと古くしたほうがいいと思うよ。ぼくにあわないね。」

「それは、残念だこと。でも、ぼうしはあたらしいのがいるでしょ。」

  と、おばあさんはききました。

  スナフキンは、緑色の古ぼうしを、いっそうふかくかぶって、おびえたようにいいました。

「ありがとう。でも、いまも考えたんだけど、持ち物をふやすというのはほんとに恐ろしいことですね。」」p136

 

スナフキンは究極のミニマリストだなと思いました。

 

一作目(『小さなトロールと大きな洪水』)ほどの作風の暗さは無いけれど、ムーミン谷に彗星がぶつかる場面は結構怖いと思いました。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

 

新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)