ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

沼畑直樹『最小限主義。「大きい」から「小さい」へ モノを捨て、はじまる"ミニマリズム"の暮らし』

こんばんは、ゆまコロです。

 

沼畑直樹『最小限主義。「大きい」から「小さい」へ   モノを捨て、はじまる"ミニマリズム"の暮らし』を読みました。

 

モノを持たない生活に憧れます。

 

印象深いのは、沖縄で仕事を探す話です。

田舎で原始的な生活がしたいと思った筆者は、学生時代のつてで沖縄県読谷村に向かい、そこで仕事を探し、久米島のホテルの支配人と出会います。

 

久米島で最も古く、歴史があるという。

場所は確かに一等地だ。

南の海に面した丘にあり、眺望は抜群。目の前をときどき鯨が通る。

  しかし、老舗ホテルは新興ホテルに押され、やはり経営は傾いていた。

なにしろ、古い。

大変な時期なのに、支配人のウエハラは、海が大好きだった。

漁師だったのだ。

  彼は仕方なく、この仕事を引き受けていた。

  親が久米島観光ホテルを作った社長で、地元の名士。

  本当は毎日海に出て、カジキマグロを釣りたいが、自分以外にホテルを継げる者がいない。

  だから、昼間は私にホテルを見ていてほしいというわけだった。

  私は海には興味がないし、田舎暮らしに興味があるだけ。

  このホテルに住み込みで働けるなら、まったく問題なかった。

  私はフロント業をしながら、汚れたホテルの壁や小道具をせっせと白く塗り、なんとかホテルを再生させようと思った。

  空き時間には丘の上の芝生の椅子に座り、海を眺めながら適当な文章を書いていた。

  それだけでも十分な幸福感だった。」(p189)

 

ミニマリズムの話よりも、サーフィンを始めて視力が回復した、という話が気になりました。水平線近くを見つめて、波が来るのを待つのが良かった、というものです。

 

文体はエッセイというか詩というか、という感じです。

お掃除のモチベーションを上げたいという方は、佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』が参考になると思います。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。